Wolfram症候群(DIDMOAD症候群)

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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山口大学で主に研究されている.

○若年発症のインスリン依存性糖尿病が初発症状となり,次いで視神経萎縮により視力障害を来すのが特徴的な常染色体劣性遺伝性疾患.
○糖尿病と視神経萎縮に加えて内分泌代謝系,精神神経系を広範に障害し,尿崩症,難聴,尿路異常,多彩な神経・精神症状などを合併する.
・主要な4徴候 diabetesinsipidus (尿崩症),diabetes melitus (糖尿病) , opticatrophy (視神経萎縮),deafness(難聴)の頭文字をとってDIDMOAD症候群とも呼ばれる.
○原因遺伝子WFS1が1998年に同定され,遺伝子診断が可能になった.

病態

WFS1遺伝子

○アジア人は発現が弱く,日本人の患者では約60%にこの遺伝子に変異が同定されている.
WFS1遺伝子にコードされる蛋白,WFS1蛋白 (wolframin)は主に細胞内小器官である小胞体に存在し,この蛋白を欠損する細胞は小胞体ストレスに脆弱であることが示されている.
・特に心臓,膵臓での発現が多い.

糖尿病

○膵β細胞の選択的消失をきたしており,炎症性細胞の浸潤を伴っていないことが報告されている.
○膵β細胞は大量のインスリンを合成するため,定常状態から小胞体に対する負荷が大きく,小胞体ストレスに対して脆弱である.
→小胞体ストレスに対し脆弱なWfs1欠損膵β細胞では,正常な小胞体構造がなくなる.
1)アポトーシスが増大し,膵β細胞が減少
2)β細胞が内分泌前駆様細胞に脱分化し,その一部はα細胞に分化転換する(β細胞が冬眠しているような状態)

症候

○典型例では3~ 8歳で発症するインスリン分泌不全による糖尿病が初発症状となり,遅れて視神経萎縮,尿崩症,難聴や多彩な精神・神経症状をきたす.
○発症すると症状は進行性であり,確立した治療法もない.
○中枢性呼吸不全,誤嚥や自殺などが原因となり早期死亡をきたすことが知られている.

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