個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.
疫学
先進国においても稀ではなく,外出機会が乏しく,日光曝露が減少した施設入所者や経口摂取量が減少した高齢者でみられる.
原因
日光暴露低下
・引きこもり
病態
易感染
結核患者や潜在性結核感染者は,健常者に比べ,ビタミンD値が低値であるという報告もあり,ビタミンD欠乏と結核の関連を示唆する報告は多い.
ビタミンDは,結核等の細胞内寄生菌の制御において重要なマクロファージをはじめとする自然免疫や獲得免疫機構を維持する働きがあると考えられている.
ビタミンD欠乏が歯性感染症,上気道炎ならびに肺炎の増加と関連しているとする報告もある.
診断
血液検査
低Ca血症+高PTH血症
・ビタミンD欠乏症,慢性腎不全,偽性副甲状腺機能低下症の3つが鑑別にあがる.
→正確な判断をするには,天然型ビタミンDの治療効果の確認と,GNAS遺伝子のメチル化解析を含む分子遺伝子検査が有用.
血中25-ヒドロキシビタミンD 25(OH)D値
2016年より保険収載.
・ビタミンD欠乏の明確な基準値はないが,25-ヒドロキシビタミンDの測定により評価可能.
天然型ビタミンD投与(保険外)
診断は,天然型ビタミンDの効果により確認される.
・本邦では天然型ビタミンDの医療用医薬品はデノスマブ投与時の低Ca血症予防薬しかない.
→D3(Cholecalciferol)サプリメントを安全な400IU/日から2,000IU/日まで段階的に増量し,1年以上かけてビタミンD補充するという方法が報告されている.
分子遺伝子検査
治療
活性型ビタミンD
成因に関係なく改善するため,ビタミンD欠乏症と真の偽性副甲状腺機能低下症との鑑別ができない.