下肢静脈瘤 varix of leg

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

下肢の皮下静脈が拡張・蛇行し,静脈還流が障害された状態.

疫学

下肢静脈瘤は,40歳以上の女性に多く認められ,年齢とともに増加していく.

40歳以上を対象とした調査では,全体で8.6%(男性3.8%、女性11.3%)に認められ,患者数は1000万人以上と推定されている.

病態

静脈瘤は下肢静脈圧の上昇や静脈血流量増大・静脈弁/静脈壁の異常に基づき,静脈血のうっ滞・逆流が起こる.

静脈の弁機能不全が原因で,妊娠・立位・筋肉労働が誘因となって生じる.

危険因子
高齢者,女性,家族に遺伝,妊娠,出産歴,立ち仕事,肥満,便秘
*立ち仕事=特に1ヶ所に立ってあまり動かない仕事(調理師・美容師・販売員など)は発症しやすく,特に1日10時間以上立っている人は重症化しやすい.

静脈が拡張して静脈壁や周囲組織に炎症を伴い,二次的に静脈内に血栓を生じると表在性血栓性静脈炎(superficial venous thrombosis;SVT)となり,これが深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)に発展することもある.

一次性静脈瘤
下肢の表在静脈である大・小伏在静脈の弁不全により皮下静脈の拡張.

二次性静脈瘤
深部静脈の血栓閉塞や穿通枝の弁不全により,静脈血が穿通枝を逆流して表在静脈に流入し,拡張する.

うっ滞性皮膚炎

重症化すると湿疹や脂肪皮膚硬化症などを発症し,さらに重症化すると潰瘍まで進展する.

症候

症状

足の血管が浮き出て見える
ふくらはぎがだるい・重苦感
足のむくみ
足のこむら返り
足がほてる・熱く感じる
足のむずむず感・不快感
足のかゆみ・湿疹
足の色素沈着
足の潰瘍

身体所見

下肢の表在静脈の怒張および蛇行・色素沈着がみられる.

伏在型:静脈径≧4mm
即枝型:静脈径3-4mm
網目状:静脈径1-2mm
くもの巣状:静脈径≦1mm

足首が鬱滞しやすく,潰瘍化しやすい.
皮膚は茶褐色であることが多い.

下肢静脈弁の不全の有無・部位を決定するために以下の2つの検査を行う.

Trendelenburgテスト
患者を仰臥位にして下肢静脈を空虚にして,大腿(静脈瘤が大腿部にある場合)あるいは下腿(静脈瘤が下腿にある場合)を駆血帯でしばり,表在静脈を遮断する.
・立位になり,直ちに静脈瘤に血液が充満する場合→不全穿通枝が存在する.
・静脈瘤に血液が直ちに充満しない場合→不全穿通枝はない.
・駆血帯を除去すると即座に静脈瘤に血液が充満する場合→下肢静脈弁不全

Perthesテスト
下肢静脈瘤に対する下腿穿通枝の弁不全および深部静脈の開存をみる診断法.
立位で下腿上1/3に駆血帯を巻き,表在静脈の逆流を遮断した後,足踏み運動をさせる.
・静脈瘤の大きさが縮小する場合→穿通枝の弁機能が正常で深部静脈も開存.
・反対に静脈瘤が大きくなる場合→穿通枝の弁不全

静脈造影

大小伏在静脈の拡張・逆流

治療

手術は一次性のものに行う.二次性のものには禁忌!

くもの巣状・網目状静脈瘤は軽症で,治療する必要がない.

保存的治療

弾性ストッキング・包帯を着用.
安静・患肢挙上.

手術

伏在型静脈瘤のみが適応.

静脈瘤抜去術(stripping法)

不全交通枝結紮・切除術

血栓摘除・溶解術(発症7日以内でないと有効ではない)

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