尿の希釈と濃縮

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

○腎臓は尿を50mOsm/kgH2Oまで希釈でき,また1200mOsm/kgH2Oまで濃縮できる.
→1日あたりの溶質の負荷は600mOsmなので,尿量は12mLから500mLまで対応できる.

○髄質の浸透圧勾配は,ヘンレループの作る対向流増幅系による.
・ループの下行脚では尿は徐々に濃縮され,上行脚では希釈される.
・ループの両脚の希釈/濃縮能は,能動輸送ではなく水とNaと尿素に対する透過性の差異に基づく受動的なものであるとされる.

近位尿細管・Henleの細い下行脚

○近位尿細管で水の2/3が再吸収され、Henle下行脚ではおよそ水の10%が再吸収される.
・AQP1というアクアポリン水チャネルが働いており,AQP1は尿細管上皮細胞の管腔膜と側底膜の両方に存在し,細胞を通過する水輸送が可能となっている.

○Henleの細い下行脚は水の透過性が高く,NaClに対しての透過性は極めて低く,管腔液が通過する際に水が浸透圧勾配によって再吸収される.
→管腔液が濃縮

Henleの太い上行脚

○NaClに対しての透過性が極めて高いが,管腔側細胞膜は水の透過性をもたない特殊構造.
→希釈セグメント(diluting segment)で,尿浸透圧は100mOsm/kgH2Oまで低下する.

○側底膜にNa+-K+-ATPaseポンプ,管腔膜にNa+-K+-2Cl共輸送体が発現.
→NaとClが強力に再吸収される(糸球体濾過液の約20~30%).
 ループ利尿薬が強力な理由.
→水の透過性はなく,再吸収はされない.
→ここでもADHが作用し,NaとClの再吸収を亢進させる.

○髄質間質に蓄積した尿素が,集合管で再吸収され,ループ上行脚に移行する.

集合管

○抗利尿ホルモン(ADH)の存在下で,水の透過性が高くため,髄質の高浸透圧で水が再吸収
→尿が濃縮
・髄質が発達し,髄質間質では乳頭先端に向かい高い浸透圧勾配を形成している.

○尿素は透過性がないため,尿素の再吸収はなく,尿中の尿素は髄質にいくにつれ濃縮される.
 髄質部集合管では,ADHの存在下で尿素の透過性が高いため,ここで濃縮された尿素が一気に再吸収される(尿素の再循環).

*蛋白摂取制限をすると尿素産生量が低下し,髄質間質の尿素による浸透圧勾配形成を妨げ,尿濃縮能が低下する.

浸透圧利尿

Henleの下行脚

○尿細管腔に浸透圧物質があれば,浸透圧勾配が相殺され,水の再吸収が阻害される.

Henleの上行脚

○濃縮されないままの尿が届くので,NaやClの再吸収の効率も低下する.

集合管

○尿細管腔に浸透圧物質があれば,浸透圧勾配が相殺され,水の再吸収が阻害される.
○尿素の濃縮も阻害され,髄質での尿素の再吸収やそれによる尿素の蓄積も阻害される.

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