尿毒症性心膜炎 uremic pericarditis

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なすび医学ノート

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疫学

1836年にRichard Bright らによって最初に報告され,当時は末期腎不全の主な合併症だった.
その後,早期の透析導入や透析効率の改善により発症頻度は減少し,有病率 5%以下の稀な疾患となった.

病態

原因はいまだ解明されていないが,集中的な透析治療で改善することや,効率的な透析処方の導入により発生率が低下していることから腎不全に伴うuremic toxinの蓄積が原因であるとする仮説が報告されている.

病理学的には,心膜に多量のフィブリンの析出を伴う滲出物を伴う線維素性炎症が生じ,蛋白質や単核細胞の含有が多い漿液性or血性の滲出性心囊液が貯留している.
・血性心囊液は,心膜の炎症により新生血管が発生しそれが破裂することにより生じると考えられている.

治療

血液透析

無除水透析のみで心囊液は改善する可能性があり,除水を契機にlow pressure cardiac tamponadeとして循環動態が破綻する危険性も考慮すると,過剰な除水は尿毒症性心膜炎の治療においては不要と思われる.
・心囊液の治療中は心タンポナーデの予防に,血管内容量低下の回避が推奨されている.

無除水血液透析で改善した尿毒症性心膜炎の 1 例(透析会誌 54:541~546,2021)

心嚢ドレナージ

ひとたび循環動態が破綻するような心タンポナーデを発症すれば,緊急の心囊ドレナージを行わなければ致死的となる.

ドレナージの適応については,少量の心囊液でも早急に貯留すると心タンポナーデを起こし得る一方で,緩徐に貯留すると2L程度の心囊液でも心タンポナーデを起こさない場合もあり施行時期の判断は容易ではない.

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