トキソカラ症 toxocariasis

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なすび医学ノート

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トキソカラ属線虫のイヌ回虫(Toxocara canis) ・ネコ回虫(Toxocara cati)等の幼虫が非固有宿主であるヒトに感染し,さまざまな症状を引き起こす幼虫移行症.

原因

トキソカラ症の感染経路として,ニワトリ・ウシ等の生肉,生肝に寄生する第3期幼虫の喫食,虫卵が付着した生野菜の喫食ならびに虫卵で汚染された砂場や虫卵が付着したイヌ・ネコの被毛からの感染が挙げられる.

欧米では,イヌ・ネコが排出した虫卵の経口摂取による小児例が多いのに比べ,本邦では生肉や生肝に寄生する第3 期幼虫の喫食による例が多いため,成人に多くみられる.
・ニワトリやウシの生肉や生肝等からの感染が多いと考えられている.
・2012年7月に生食用牛肝臓の販売・提供が禁止された.

病態

症状は多彩で非特異的なものが多く,寄生・発症部位によって,内臓型,眼型,中枢神経型ならびに潜在型に分類される.

症候

病型によって症状は異なるが,内臓型では,発熱,全身倦怠感,腹痛,咳嗽,関節痛,蕁麻疹等の非特異的な症状が多い.

血液学的検査では,白血球数が10,000/μl以上,好酸球数の比率は10%以上,IgE(immunoglobulin E)値は500 IU/μl以上に増加する例が多い.

トキソカラ症の肺病変においては,胸部CT所見で肺野末梢に多発する結節影やすりガラス陰影がみられることが多く,短期間で消退と出現を繰り返すことが特徴.

病理学的には好酸球性肉芽腫によるもので,幼虫による直接の組織傷害や,虫体成分・分泌物に対する宿主の免疫反応が成因として推測されている.

診断

トキソカラ症の確定診断は,通常,血清の免疫学的検査によって行われ,ELISA(enzymelinked immunosorbent assay)法やイムノクロマト法等が使用されている.

治療

トキソカラ症は,有症状例や,無症状でも高抗体価,好酸球著増例が治療対象と考えられている.

ベンズイミダゾール系薬剤が有効で,albendazole 10~15 mg/kg/日の4~8週間投与が推奨されている.

高い頻度で一過性肝障害がみられ,時に骨髄抑制がみられる.

肝障害により治療継続が困難な場合は,ivermectinを使用する.

治療効果の判定は,好酸球数の推移,画像所見ならびに抗体濃度の推移等により行う.

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