チアゾリジン誘導体 thiazolidine;TZD

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

大型脂肪細胞を減らすために重要なPPARγを活性化して,脂肪細胞の分化を促し,インスリン抵抗性の改善を介して,血糖降下作用を発揮する.

肝,骨格筋,脂肪細胞すべてにおいて,インスリン感受性を改善する.
→インスリン抵抗性の関与がある状態では有効率が高い.

β細胞機能回復作用も報告されている.

インスリン分泌促進作用はないため、単独投与では低血糖の危険は少ない.

大血管障害の既往を有する2型糖尿病患者に対して、心血管イベントの発症抑制、およびインスリン治療の導入を遅らせるとの欧州での成績がある.
→メトホルミンの標的分子であるAMP(adenosine monophosphase)活性化キナーゼは血管内皮細胞やマクロファージで抗炎症,抗動脈硬化的に作用することが多くの基礎研究から確認されている.

欠点として体重増加作用がある.
・脂肪細胞増生を促進する以外に,ナトリウム貯留による循環血漿量を増加させることが原因とされている.

薬理

核内受容体であるPPARγ(peroxisome proliferator activated receptorγ)の強力なアゴニストで,主にPPARγに作用することでインスリン抵抗性を改善する.

①PPARγは特に脂肪細胞に多く発現し,脂肪細胞の分化誘導を促進し,末梢での白色脂肪組織における脂肪蓄積を強力に促進させることで,肥満に伴う骨格筋や肝臓の異所性脂肪蓄積を改善する.
・肝臓におけるトリグリセリド(TG)量を減少させる.

②PPARγの活性化は脂肪細胞分化によって新たに生じた小型脂肪細胞の増加とアポトーシスによる大型脂肪細胞の減少を引き起こし,脂肪細胞の形質を回復させる.
・小型脂肪細胞からはアディポネクチンが分泌され,インスリンの働きの活性化,筋肉や肝臓での糖代謝を促進する.
・大型脂肪細胞からはレジスチンやTNF-αなどが分泌され,インスリン感受性を弱めて糖代謝を阻害する.

脂肪組織はエネルギー貯蔵臓器として機能するのみならず,生理活性を持つ種々のアディポネクチンを分泌し,積極的に代謝調節に関与している.

副作用

副作用として浮腫,貧血,血清LDH/CPKの上昇などが時に認められる.

体液貯留

水分貯留を示す傾向があり,心不全患者,心不全の既往者には使用しない.
・食塩制限をよく指導しておくことで避けることは可能.

以下の機序が考えられている.
1)核内受容体型転写因子PPARγの活性化を介して,腎の遠位尿細管,集合管の上皮細胞ナトリウムチャネル(ENAC)の発現が亢進してNa再吸収が増加する
2)インスリン感受性を高め,Na再吸収を亢進する
3)近位尿細管にあるナトリウム・プロトン交換輸送体NHE3やナトリウム・重炭酸共輸送体NBCe1をPPARγ依存的だが転写促進を介さずに活性化させ,Na再吸収を促進する

肝機能障害

基礎に肝機能障害を有するなど,必要な場合には定期的に肝機能検査を実施する.

重篤な肝機能障害例には使用しない.

骨粗鬆症

海外の臨床試験では,女性において骨折の発現頻度上昇が報告されている.

PPAR-γ活性化によりc-fosを介して破骨細胞分化を誘導し,骨形成・骨吸収の骨代謝不均衡をもたらして,骨質を悪化させる可能性がある.

(膀胱癌)

膀胱癌治療中の患者には投与をさけ,既往患者には慎重投与.新規開始時には膀胱癌発症のリスクを説明する(1.2倍).

投与中,投与中止後にも血尿,頻尿,排尿痛に注意.定期的な尿検査を実地する.

ピオグリタゾン pioglitazone

アクトス®

1日1回朝食前または朝食後に30mgを経口投与、45mgを上限.

女性,高齢者では1日15mgから開始(基本,使用しない)

重度腎機能障害(eGFR≦30ml/min)
禁忌
ほぼ完全な肝代謝であり,未変化体または活性代謝物の蓄積の心配はないが,腎でのNa再吸収亢進などによる体液量増加による浮腫や心不全をきたすリスクがある.

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