全身性エリテマトーデス(SLE) 診断・治療

医学ノート(なすび用)

stemic lupus erythematosis;SLE

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分類基準

SLICC分類基準(2012年)

臨床的項目と血清学的項目あわせて17の分類基準項目を作成し,以下の場合に診断できるとした.

①4項目以上陽性(検査・臨床分野で各1項目以上陽性)
or
②病理学的にループス腎炎と診断され,かつ抗核抗体 or 抗二重鎖DNA(dsDNA)抗体

2019年欧州リウマチ学会/米国リウマチ学会SLE分類基準

7つの臨床領域と3つの免疫領域の合計21項目にそれぞれ点数化がされており,合計10点以上でSLEと分類する.
*抗核抗体80倍以上が必須項目.

治療

全ての臓器において,寛解or低疾患活動性を目指し,再燃を抑え,可能な限り最小限のグルココルチコイドにて維持を行う.

免疫抑制薬を積極的に併用し,維持量としてのグルココルチコイドがPSL換算で1日量7.5mgを超えないようにすることも推奨されている.

治療指標

SLE-DAI(SLE-disease activity index)

24項目の臨床症状・検査所見から最大105点となるスコア化により疾患活動性を評価する.

単純・簡便であるため,指定難病の臨床調査個人票にも重症度分類として使用され,4点以上が対象とされている.

0点→活動性なし
1~5点→低疾患活動性
6~10点→中疾患活動性
11~20点→高疾患活動性
21点以上→非常に高い疾患活動性

問題点としては,神経精神ループス・ループス腎炎に重きを置かれ,重症度が加味されていないこと,肺胞出血・ループス腸炎・溶血性貧血・肺高血圧などが含まれていないことなどが挙げられる.

British Isles Lupus Assessment Group Index(BILAG Index)

SLEDAIよりも煩雑で日常臨床では不向きだが,より詳細な評価が可能.

全身症状と8つの臓器病変(粘膜皮膚症状・神経系・筋骨格系・心血管系/呼吸器系・消化器系・眼症状・腎症)の計9つの系の総計86項目について評価する.
・直近4週間をその前の4週間と比較して,新規(4点),悪化(3点),変化なし(2点),改善(1点),症状なし(0点)でスコア化する.
・重症度については,A(重症),B(中等度),C(軽症),D(既往のみ),E(既往なし)の5つのカテゴリに分類する.

2016年difinitions of remission in SLE(DORIS)

clinical SLEDAI=0
BILAD D or Eのみ
European Consensus Lupus Activity Measurement(ECLAM)=0
PGA(physician’s global assessment)<0.5
を満たした上で,
remission off therapy→抗マラリア薬以外の薬剤なしの状態
remission on therapy→PSL≦5mg/day,抗マラリア薬・免疫抑制薬使用可

LLDAS(lupus low disease activity state)

これを満たすと,その後の再燃リスクも低下することが報告されている.

疾患活動性
①SLEDAI-2K≦4 and 活動性臓器病変なし
②新たなSLEに随伴する症候なし
③医師による全般評価(PGA:0-3)≦1

免疫抑制治療
④ステロイド使用量PSL換算≦7.5mg
⑤承認範囲内の免疫抑制薬,生物学的製剤で良好な状態

Systemic Lupus International Collaborating Clinics Damage Index;SDI

SLE発症後の不可逆的な臓器障害の発生を評価するもので,12臓器について少なくとも6カ月間存在する臓器障害を評価する.
*グルココルチコイドに伴う副作用である白内障・骨粗鬆症なども含まれている.

なすび院長
なすび院長

SLEの疾患活動性をいかに抑えるかという点に加え,SLEの治療に伴う臓器障害を起こさないことも重視している.

アルゴリズム(2019年診療ガイドライン)

SLEの治療2020-21
静岡県浜松市東区の内科医院です。関節リウマチ、膠原病、慢性痛、線維筋痛症、糖尿病、甲状腺疾患などを診ています。関節痛、筋肉痛、むくみ、皮膚の発疹等でお困りの方は御来院ください。

皮膚に限局する場合

まず外用薬(ステロイド・TAC)で治療.

抵抗性の場合はヒドロキシクロロチン or グルココルチコイドを考慮する.

ヒドロキシクロロチン hydroxychloroquine;HCQ

プラケニル®

抗マラリア薬であり、マラリアの治療や予防のために用いられているが,2015年に保険診療での投与が可能になった.

SLE患者血清のNETs誘導活性を低下させる作用を有している.

SLE患者全般で再燃,死亡ならびに感染症リスクの低下などが示されている.
→「禁忌などのない全てのSLE患者に投与されるべき薬剤」として位置づけられている.

注意すべき副作用として,投与初期に出やすい重症薬疹と,重症例では失明に至る網膜症がある.
・網膜症は累積投与量が増加すると起こりやすく,使用に際し,投与前や投与後も定期的な眼底検査が必要.

なすび院長
なすび院長

眼科で,網膜症・黄斑症など禁忌事項がないか確認する!

タクロリムス

カルシニューリン阻害薬

寛解導入や寛解維持でよく用いられる.

ミコフェノール酸モフェチル ミコフェノール酸モフェチル mycophenolate mofetil;MMF

ループス腎炎の重症病型の寛解導入では,シクロホスファミドに代わってミコフェノール酸モフェチルを用いる頻度が増加している.

ベリムマブ belimumab;BEL

抗BAFF/Blys(B cell-activating factor belonging to the TNF family/B lymphocyte stimulator)抗体製剤

アニフロルマブ

Ⅰ型IFN受容体拮抗薬.

TULIP-2試験,MUSE
→標準治療+アニフロルマブ投与群では,プラセボ群と比較して皮膚・関節を含む臓器全体の疾患活動性の低下とグルココルチコイド使用量の減量効果を示した.

ボクロスポリン

T細胞の増殖・活性化に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで免疫阻害作用を発揮するカルシニューリン阻害薬.

妊娠

妊娠における危険因子
poor obstecic historyの既往
腎障害
心障害
肺高血圧
間質性肺障害
高疾患活動性
高用量ステロイド投与
抗リン脂質抗体症候群
抗SS-A抗体
抗SS-B抗体陽性
多胎妊娠

医学ノート(なすび用)
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なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
勉強好きで,私用に細々とまとめています.

妻:りんご
長女:いちご
次女:れもん
三女:みかん
事務長:かえる

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