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エンパグリフロジン Empagliflozin
ジャディアンス® ベーリンガー,イーライリリー
2型糖尿病
1日1回10mg(朝食前or後),効果不十分の場合,25mgまで増量できる.
・内服後約1.5時間でピークに達し,半減期は14~18時間,5日以内に定常状態に達する.
SGLT2選択性が2677倍と一番高い.
EMPA-REGで心血管イベントを有意に減少させた.
→心血管イベントの発症リスクが高い2型糖尿病患者において,標準治療にジャディアンスを上乗せしたところ,主要複合心血管イベント(心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死的脳卒中)のリスクを14%有意に低下させた.
→心血管死に関して,標準治療にジャディアンスを上乗せしたところ,38%有意にリスクを低下させた.
エビデンス
EMPA-REG OUTCOME(海外)
P:心血管疾患のある2型糖尿病患者7,028人
E:標準治療にempagliflozinを追加(10mg or 25mg)
C:標準治療+プラセボ
O:心血管疾患による死亡率(3.7%/5.9%),全死亡率(5.7%/8.3%),心不全による入院率(2.7%/4.1%)が有意に低かった.
・3.1年間で結果が出ており,日本人を含むアジア人での結果が良好であった.
・心血管死を38%ほど減少させているが,心不全死も含まれており,大血管合併症を抑制できたかははっきりしていない.利尿効果が大きいかも?
【サブ解析】
・ 腎置換療法(透析など)の開始を55%減少
・ 血中クレアチニンの倍化を44%減少
・ マクロアルブミン尿への進行を38%減少
EMPA-REG MONO(国際共同第Ⅲ相試験)
Cardiovasc Diabetol 2015;14:154
P:食事運動療法で血糖コントロール不十分で,薬物療法を受けていない2型糖尿病.899例.24週.うち615例は延長試験で76週まで観察.
E:エンパグリフロジン 10mg or 25mg
C:プラセボ群,シタグリプチン100mg群
O:プラセボ vsエンパグリフロジン 10mg vs 25mg vs シタグリプチン100mg
HbA1c(76週後):+0.13% vs -0.65% vs -0.76% vs -0.53%
メタアナリシス
Diabetes Obes Metab 2016;18(10):1034–1040
P:12週を超えるエンパグリフロジンの無作為化プラセボ対象試験(EMPA-REGを含む8試験)に参加した2型糖尿病11,292例.
E:エンパグリフロジン 10mg
O:エンパグリフロジン vs プラセボ
4 point MACE:8.5% vs 9.5% HR 0.86
3 point MACE:7.0% vs 8.0% HR 0.94
心血管死:2.6% vs 3.8% HR 0.64
非致死性心筋梗塞:2.8% vs 3.5% HR 0.74
非致死的脳卒中:2.3% vs 1.7% HR 1.23
不安定狭心症による入院:2.0% vs 1.9% HR 1.01
全死亡:3.9% vs 5.3% HR 0.69
心不全による入院:7.4% vs 2.7% HR 0.61
慢性心不全
2021年11月~保険適応
10mgを1日1回朝食前or朝食後に経口投与.
*慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る.
*左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与する.
EMPEROR-Reduced®試験
カナグリフロジン Canagliflozin
カナグル® 田辺三菱

トホグリフロジン Tofogliflozin
デベルザ® 興和

イプラグリフロジン
スーグラ® アステラス
○日本で2014年に「2型糖尿病」を効能・効果として,一番最初に承認を取得した.
1型糖尿病
○2018年12月には,「1型糖尿病」に対しても,承認を取得した.
○1型糖尿病でも,インスリン量の減量と体重減少を認める. Diabetes Res Clin Pract 2018; 137: 83-92
○低血糖を起こしやすい夜間深夜帯の血糖低下に対する基礎インスリンの減量,夕食前血糖値の低下に対する昼前の追加インスリンの減量を事前に行う.
○過度のインスリン減量によるケトアシドーシスのリスクの増加. Pharmacotherapy 2017; 37: 187-194
・女性や痩せている症例での報告が多い.
・インスリンポンプ使用者ではポンプ故障によりリスクが増加する.