重症熱性血小板減少症候群 severe fever with thrombocytopenia syndrome;SFTS

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルス(SFTSウイルス;SFTSV)によるダニ媒介性感染症(フタトゲチマダニやタカサゴキララマダニなど).

2011年に中国で,2013年1月に本邦で報告された新興感染症.

感染症法による四類感染症に指定されている.

致死率は6.3〜30%と報告されている.

疫学

2017年で315例が報告され,死亡例が60例と致死率が約20%と高い.
・高齢者で致死率は高くなる.

発症は5~8月に多く,西日本を中心に報告されている.

病態

SFTSウイルスは,マダニと哺乳動物の間のサイクルで維持されている.
→ウイルスを保有しているマダニに刺されると感染する.

ウイルス血症を伴っている動物の解体時に血液などの体液に触れたり,医療従事者が患者体液に触れたりすることで感染が成立すると言われている.
→院内感染や家族内感染などヒト-ヒト感染も起こりうる.

出血傾向,DIC,多臓器不全,血球貪食症候群が予後不良の原因.

症候

感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て,発熱,消化器症状(食欲低下・嘔気・嘔吐・下痢・腹痛)が多くの症例で認められ,その他頭痛,筋肉痛,意識障害や失語などの神経症状,リンパ節腫脹,皮下出血や下血などの出血症状などを起こす.
・半数以上で意識障害を伴う.
・消化器症状を高率に認めるのが,リケッチアとの鑑別ポイント.

約半数のSFTSの患者で,マダニの刺し口がなく,刺された事実が確認されない.

検査所見

白血球減少,血小板減少,AST・ALT・LDHの血清逸脱酵素の上昇が多くの症例で認められる.

血清フェリチンの上昇や骨髄での血球貪食像も認められることがある.

診断

SFTSを疑う患者を診たときは保健所に相談する.
→SFTSV遺伝子検査が実施できる体制が整備されている.

治療

治療は対症的な方法しかなく,有効な薬剤やワクチンはない.

初期段階では細菌などによる敗血症も考慮して経験的治療を開始する.

日本紅斑熱やツツガムシ病も考慮し,テトラサイクリン系の抗菌薬を併用する.

わが国では2016年からファビピラビル(アビガン®)を用いた臨床試験が行われている.

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