敗血症 sepsis

スポンサーリンク
なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

定義

敗血症

感染に対して宿主生体反応の統御不全により臓器機能不全を呈している状態.
*従来の定義の重症敗血症に相当する

敗血症性ショック

敗血症の部分集合であり,実質的に死亡率を上昇させる重度の循環不全と細胞機能や代謝の異常を呈するもの.

トリアージ

quick SOFAスコア;qSOFA

病院前や救急外来,一般病棟では,まず感染症と確定または疑いがある場合にqSOFAを用いて評価する.
・救急外来での早期治療介入が必要な重症感染症患者の発見には,SIRSや乳酸値の上昇よりもqSOFAが優れている.

①意識変容
②呼吸回数22回以上
③収縮期血圧100mmHg
→2項目以上あれば強く敗血症を疑って行動することが望ましいとされる.

SOFA(sequential organ failure assessment)スコア

初療が終わりICUへ移動後にSOFAスコアを算出し,2点以上の急上昇があれば敗血症の診断となる.
*ICUで用いるスコアとしては,SIRSやqSOFAよりもSOFAスコアの方が院内死亡率を予測することができる.

臓器障害を簡便にスコアリングし記述できるツールとして,ICU内の患者を対象に作成されたもの.
→多臓器不全患者の重症度を6つの臓器系「呼吸器・循環器・肝機能・凝固系・中枢神経系・腎機能」ごとに経時的に評価する.

呼吸器 PaO2/FiO2(mmHg)

>400→0点
≦400→1点
≦300→2点
≦200→3点(呼吸補助下)
≦100→4点(呼吸補助下)

循環器 低血圧

なし→0点
平均動脈血圧(MAP)<70mmHg→1点
ドパミン≦5γ or ドブタミン(用量不問)→2点
ドパミン>5γ or アドレナリン≦0.1γ or ノルアドレナリン≦0.1γ→3点
ドパミン>15γ or アドレナリン>0.1γ or ノルアドレナリン>0.1γ→4点

肝機能 ビリルビン値(mg/dL)

<1.2→0点
1.2~1.9→1点
2.0~5.9→2点
6.0~11.9→3点
>12.0→4点

凝固系 血小板数(×103/μL)

>150→0点
≦150→1点
≦100→2点
≦50→3点
≦20→4点

中枢神経系 GCS合計点

15→0点
13~14→1点
10~12→2点
6~9→3点
<6→4点

腎機能 Cr(mg/dL) or 尿量

Cr<1.2→0点
Cr 1.2~1.9→1点
Cr 2.0~3.4→2点
Cr 3.5~4.9or 尿量<500mL/day→3点
Cr>5.0 or 尿量<200mL/day→4点

敗血症性ショックかどうか

①平均動脈血圧65mmHg以上を保つために輸液療法に加え血管収縮薬の併用
②血中乳酸値2mmol/L(18mg/dL)以上
の2項目を満たした場合とされる.

来院時にショックだからといって敗血症性ショックというわけではない.
→まず輸液にどう反応するか

診断

プロカルシトニン Procalcitonin;PCT

健康正常人では血中にほとんど遊離されず,0.1ng/mLと低いが,細菌感染では炎症性サイトカインにより甲状腺外(肝・肺・腎・筋肉・脂肪細胞など)からもPCTは分泌される一方で,ウイルスや自己免疫性疾患ではあまり上昇しないため,細菌かウイルスの鑑別に有用であるとされている.

プロカルシトニンは116個のアミノ酸から成る分子量 13kDaの蛋白で,N末端側には57個のアミノ酸から成る領域があり,中央に32個のアミノ酸から成るカルシトニン部分,C末端側には21個のアミノ酸から成るカタカルシン(catacalcin)部分が存在する.
・PCTはヒトCALC-1遺伝子によってコードされている.この遺伝子は染色体11p15.4に存在する.
・PCTは循環血液中では半減期が約24~30時間といわれている.
・CRPは細菌感染症の診断として感度75%と特異度67%だが,PCTは感度88%と特異度81%で,CRPよりも感度や特異度で有用.

正常範囲(健常者):<0.05ng/mL
*細菌感染の除外目的なら,0.125ng/mL程度がカットオフ値?
局所感染:<0.5ng/mL
全身性感染:0.5~2.0ng/mL
→敗血症の可能性を除外できない限り,敗血症の治療を開始すべき.
重症SIRS:2.0-10ng/mL
敗血症性ショック :>10ng/mL

タイトルとURLをコピーしました