RS3PE症候群

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なすび医学ノート

remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema syndrome

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

比較的急性の対称性四肢末端部滑膜炎及び浮腫を主訴とする疾患.

関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症等の膠原病との関連が報告されている.

近年糖尿病の合併症としてのRS3PE 症候群の報告がなされてきており,DPP-4阻害薬の投与例におけるRS3PE症候群の報告もされている.

疫学

50歳以上の高齢発症.

臨床的特徴

1.予後の良い(remitting)
2.左右対称性(symmetrical)
3.リウマトイド因子が陰性で(seronegative)
4.急速発症する滑膜炎(synovitis)
5.圧痕性浮腫(pitting edema)を伴う

その他の特徴として高齢者や悪性腫瘍の合併例が多く,炎症所見を伴いステロイドに良く反応する事が知られており屈筋腱や伸筋腱周囲の液体貯留や滑膜炎を認める.

原因

RS3PE症候群はリウマチ性多発筋痛症を含む炎症性疾患と似た臨床的特徴を持ち,免疫チェックポ
イント阻害薬であるニボルマブによるRS3PE 症候群の報告もされている事から,自己免疫との関連が深いと考えられる.

RS3PE症候群はIL1βやTNFαは関節リウマチやSLE 等と変化が認められなかったが,vascular endothelial growth(VEGF)は高値を示していることからVEGF が病態に寄与している可能性が高いが,未だその発症機序は不明.

最近DPP-4阻害薬を使用している糖尿病患者におけるRS3PE 症候群の報告が増加していることから,2015年には添付文書へ副作用の一つとして記載されるようになった.
・DPP4 阻害薬はCD26分子の一部である事から免疫機構へ関与する可能性がありDPP4 阻害薬内服下では血中VEGF の増加する事などから,DPP-4の阻害で生ずるSDF-1, VEGF 等の増加がRS3PE症候群における滑膜の炎症を発症させている可能性があると考えられる.

検査所見

赤沈亢進,CRPの上昇がみられる.

抗核抗体やリウマトイド因子(Rheumatoid Factor, RF)などの自己抗体は原則陰性.

手のMRIでは皮下浮腫,滑膜炎,屈筋伸筋腱周囲の液体貯留などを認める.

治療

少量の副腎皮質ステロイドが第一選択.
ステロイドが非常によく効くことが特徴.

悪性腫瘍,感染症などがないことを確認してからプレドニゾロン10~15mg/日程度を服用.

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