腎移植:移植後感染症

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なすび医学ノート

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 腎移植後の感染症は以前に比べ,ケアの改善,免疫抑制薬の改善や使用の適正化,予防薬の投与などにより,ニューモシスチスなど,重篤な日和見感染はほとんどみられなくなっている.
 ニューモシスチス感染はST合剤の予防投与のためか,ほとんどみられないが,起こす場合は呼吸器(肺)感染の形で,尿路感染は起こさない.
 最もよく遭遇する日和見感染としては,サイトメガロウイルスであるが,これも臓器障害を起こすことは多くなく,不顕性感染として抗原陽性で発見されることが多い.
 臓器感染としては消化管,肝臓が多く,まれに網膜症を呈するが,尿路感染はまれである.
 アデノウイルスとBKウイルスはどちらも尿路の不顕性感染を起こすことで始まり,前者は出血性膀胱炎やまれに間質性腎炎,後者は進行性の間質性腎炎を起こすことがあり,注目を集めている.

BKウイルス腎症 BK virus nephropathy

CJASN 2007;2(Supplement 1):S36-S46 (pdf)

 もともと腎組織内に潜んでいるウイルスであり,免疫抑制下の移植腎において増殖し,尿細管間質腎炎を発症することがある.
 尿沈渣の顕微鏡観察では,デコイ細胞と呼ばれる変性核を有する尿細管上皮細胞が認められる.

病理

 感染した尿細管上皮細胞には,核腫大や核内封入体がみられ,抗SV40抗体で細胞核が陽性となる.
 C4dが尿細管基底膜に染まることがあるが,陽性細胞は出現しない.
https://www.hindawi.com/journals/jir/2013/412902/fig1/ (別サイト)

治療

 ミコフェノール酸モフェチルやタクロリムスの減量,あるいはミコフェノール酸モフェチルからエベロリムスへの変更などによる免疫抑制療法の調整を行う.

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