腎性骨異栄養症 renal osteodystrophy:ROD(CKD-MBD)

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なすび医学ノート

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 正常な骨では破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成のバランスが保たれており,これらの分化調節を担うさまざまな因子,RANKL,Wnt経路に影響するPTHのほか骨細胞由来のFGF23/KlothoやSclerostin といった分子が関連している.

 CKDの古典的な骨ミネラル代謝異常ではSHPTでみられるような高回転骨のほか,低回転骨や骨軟化症といった多様な骨病変が認められ,ときにそれらが併存することは珍しくない.
 CKDは骨量や骨質の低下を招き,骨強度の低下によって骨折リスクが上昇すると考えられており,とくに透析患者における骨折リスクは高い.
 骨は生体におけるPやCaの緩衝作用を担っており,骨の機能障害が血管石灰化へ影響するという問題も注視すべきである.

疫学

 骨折患者は大腿骨近位部骨折の発症リスクが高い.
 わが国では一般人口に比べて男性で6.2倍,女性で4.9倍のリスク増加があると報告されている.
 転倒による骨折の圧倒的多くは低エネルギー骨折,すなわち脆弱性骨折であると考えられる.

病態

 骨病変は骨代謝が高回転タイプと低回転タイプに分類され,主に副甲状腺ホルモンが骨代謝回転を促進している.
 骨病変評価には骨生検が最も信頼性が高いが,侵襲的な検査であるため,代わりに骨代謝の指標を用いることが多い.
 骨形成の指標:骨性ALP(BAP)やオステオカルシン
 骨吸収の指標:酒石酸抵抗性ホスファターゼ(TRACP-5b)やI型コラーゲンN末端(NTx)などがある.

高回転タイプ

 二次性副甲状腺機能亢進症でみられる.
 骨がどんどん吸収され骨形成が間に合わないため,骨吸収部位は線維組織となる(線維性骨炎).

 X線写真では手指骨の骨膜下骨吸収像,頭蓋骨側面のsalt and pepper 像がみられ,症状としては,骨痛・関節痛,高度の骨吸収による骨折などがある.

低回転タイプ

 副甲状腺ホルモンの絶対的・相対的不足により骨吸収,骨形成ともに低下しており,カルシウムが正常に利用されないため,高カルシウム血症や異所性石灰化をきたす.

 異所性石灰化では,正常では石灰化しない関節や血管壁に炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの結晶が沈着し,血管壁への沈着が高度の場合では血管内狭窄となる.

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