腎性低尿酸血症 renal hypouricemia;RHUC

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なすび医学ノート

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尿酸値のベースが2mg/dl未満と定義されている.

臨床的に重要な合併症として,尿路結石の合併が多いこと(約6-8%),運動後急性腎不全が多いこと(約6%).

疫学

発生頻度は日本人で0.1~0.4%.

女性で頻度が高い理由として,女性ホルモンの血清尿酸低下作用によって,原因遺伝子変異の影響が強く出やすいためと考えられている.頻度は閉経前の女性では高く,加齢に伴い低下すると考えられている.

原因

これまで近位尿細管にある尿酸トランスポーターURAT1の遺伝子変異によるもので,多くはW258XやR90Hのホモ接合体,あるいは他の変異との複合ヘテロ接合体からなっているとされていたが,最近のSNP解析により,SLC2A9(solute carrier 2群A9:GLUT9)の変異によるものも知られるようになった.

全体の90%をしめるURAT1/SLC22A12遺伝子変異によるものを1型,GLUT9/SLC22A12遺伝子変異によるものを2型と呼ぶ.

遺伝形式は1型,2型ともに常染色体劣性遺伝の形式をとる.

典型的な原因遺伝子のホモ欠損では,血清尿酸値1mg/dL以下の高度の低尿酸血症を呈するが,ヘテロ欠損では血清尿酸値は2-3mg/dLとなる.

病態

近位尿細管における尿酸の再吸収が障害され,正常なら10%以下のFEUAが50%前後まで増加し,尿中の大量の尿酸が排泄され,血清尿酸値が著しく低下する.

尿酸は活性酵素のスカベンジャーであり,活性酵素が消去できなくなる.

尿細管腔内の尿酸濃度が上昇するため,尿酸結石が形成されやすい.他にもシュウ酸カルシウム結石もみられる.

診断

必須項目

1)および2)を継続的に認め,3)を満たす

1)血清尿酸値(SUA)2.0 mg/dl以下の低尿酸血症を認める.
・SUA 2.1~3.0 mg/dlの場合も,軽度の腎性低尿酸血症の可能性は否定できない.
・以下の参考項目1)~3)のいずれかを認めた場合は,腎性低尿酸血症の可能性を考慮して,必須項目1)と2)ついて再検査を行うことが望ましい.

2) 尿中尿酸排泄率(FEUN)または尿酸クリアランス(CUA)の上昇を認める.
・FEUA正常値8.3 (5.5~11.1) %,CUA正常値11.0 (7.3~14.7) mL/分

3)他の低尿酸血症を否定できる.

参考項目

1)腎性低尿酸血症の病因遺伝子(URAT1/SLC22A12遺伝子,GLUT9/SLC2A9遺伝子)の変異を認める.

2)運動後急性腎障害の既往がある.
・運動後急性腎障害発症時はSUAの低値を認めないことがあるため,発症前や軽快後のSUAを確認する.

3) 腎性低尿酸血症の家族歴を認める.

鑑別疾患

尿酸排泄亢進型低尿酸血症

(1) 腎性低尿酸血症(RHUC)
(2) ファンコニー症候群
(3) ウィルソン病
(4) 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
(5) 悪性腫瘍
(6) 糖尿病
(7) 薬物(ベンズブロマロン,プロベネシドなど)
(8) 妊娠
(9) 難治性下痢

尿酸産生低下型低尿酸血症

(1) キサンチン尿症(タイプⅠ,Ⅱ)
(2) モリブデンコファクター欠損症
(3) PNP欠損症
(4) PRPP合成酵素活性低下症
(5) 特発性尿酸産生低下型低尿酸血症
(6) 重症肝障害
(7) 薬物(アロプリノールなど)
(8) るいそう(低栄養状態)

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