腎細胞癌 renal cell carcinoma;RCC

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なすび医学ノート

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透析症例

腎細胞癌は透析患者では一般人口と比較して発症率が高いとされており,透析患者の重要な合併症の一つ.

透析歴10年未満の患者に発生した腎癌は淡明細胞型腎細胞癌が大部分を占め,5 年癌特異的生存率も91.7~93.4%と予後良好であることが示されている.

透析歴が10~20年になると後天性囊胞腎(acquired cystic disease of the kidney;ACDK)随伴腎細胞癌の割合が増加してくるが,この組織型は一般的に予後良好であると知られている.

透析歴が長くなるにつれて腎癌に肉腫様変化を伴う割合が増加し(透析歴 10 年未満で 0%,透析歴 10~20 年で 7.6%,透析歴 20 年以上では 26.1%),病理学的病期の進行,核異型の増悪,脈管侵襲の増加が認められる.
→透析歴の長い患者に発生する腎癌ほど有意に予後不良

20年以上の長期透析患者の腎癌症例では急激な進行(rapid‒growing)を示す症例もあるとされており,10 年無病生存率(disease‒free survival: DFS)は透析歴 10 年未満で 100%,透析歴 10~20 年で 84.2%,透析歴 20 年以上では37.3%に低下すると報告されている.

治療

進行性腎癌に対する薬物療法は以前は分子標的薬が主体であったが,最近では免疫チェックポイント阻害薬が標準治療として加わり,現在では一次治療としても免疫チェックポイント阻害薬の適応がある.

免疫チェックポイント阻害薬

ニボルマブ・イピリムマブ併用療法

根治切除不能または転移性の腎細胞癌に対する一次治療として2018年8月より認可されている.

ニボルマブ
ヒトprogrammed cell death‒1(PD‒1)に対するヒト IgG4 モノクローナル抗体.
PD‒1 とそのリガンドである programmed death ligand‒1(PD‒L1)および PD‒L2 との結合を阻害し,癌抗原特異的なT細胞の増殖,活性化および細胞傷害活性の増強などにより,腫瘍増殖を抑制する.

イピリムマブ
cytotoxic t lymphocyte‒associated antigen 4(CTLA‒4)に対する抗体
①CTLA‒4 とそのリガンドである抗原提示細胞上の B7.1(CD80)および B7.2(CD86)分子との結合を阻害することにより,活性化T 細胞における抑制的調節を遮断し,腫瘍抗原特異的な T 細胞の増殖,活性化および細胞傷害活性の増強により腫瘍増殖を抑制する.
②制御性 T 細胞(Treg)の機能低下および腫瘍組織におけるTreg 数の減少により腫瘍免疫反応を亢進させ,抗腫瘍効果を示す.

腎不全患者
薬物動態学的には,投与量や投与日の調整は不要と考えられている.
1)ニボルマブとイピリムマブが高分子量であるため透析で除去されないと予想される.
2)生体内ではペプチドおよびアミノ酸に分解された後に排泄される,または生体内の蛋白質やペプチドに再利用され取り込まれると考えられている.

放射線療法

免疫チェックポイント阻害薬使用時に局所放射線照射を併用することでこれらが相乗的に働き,抗腫瘍免疫応答が増強されるということは以前から示唆されている(アブスコパル効果).

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