治療抵抗性高血圧 refractory hypertension

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

利尿薬を含むクラスの異なる3剤の降圧薬を用いても血圧が目標まで下がらないもの

1)4剤以上の降圧薬で血圧が目標値に到達しているのは,コントロールされた治療抵抗性高血圧
2)厳密な意味では,十分な生活習慣の修正を行った上で,利尿薬を含む適切な用量の降圧薬を投与しても目標血圧まで下がらない状態
3)2~3剤の降圧薬でコントロール不良であるが定義を満たさないものや利尿薬が使用されていない場合は,コントロール不良高血圧として扱う(対応は一緒).
4)5剤以上用いても血圧が目標値に達しない高血圧は難治性高血圧と定義される.

疫学

治療中の高血圧患者,961035例のメタ解析では,治療抵抗性の割合は20件の観察研究で13.7%,4件のRCTでは16.3%と報告されている.

本邦のJ-HOME研究では,3剤以上内服しても自宅または病院で血圧コントロール不十分な患者は13%.

要因

血圧測定上の問題
小さすぎるカフの使用,偽性高血圧

食塩過剰摂取
体液量過多

肥満

飲酒などの生活習慣
エタノール20~30mL/day以内にとどめる

服薬アドヒアランス不良(高頻度)
治療抵抗性高血圧患者では,23~65%が服薬アドヒアランス不良
説明が不十分だったり,降圧薬の副作用に気付かないなど

白衣高血圧・白衣現象(高頻度)
家庭血圧や24時間血圧がコントロールされていれば,降圧治療強化は不要

降圧薬の不適切な選択や用量
Clinical inertia=ガイドラインに沿って,降圧治療の強化が必要でも,医療者側がそれを行わないこと

睡眠時無呼吸症候群(高頻度)

原発性アルドステロン症などの二次性高血圧(高頻度)

腎機能低下や体液量増加
利尿薬の使用

ストレス

他薬剤による降圧効果の減弱
NSAIDs,ステロイド,甘草を含む漢方薬,グリチルリチン製剤,経口避妊薬,シクロスポリン,エリスロポエチン,抗うつ薬,分子標的薬など

治療

薬物治療

Ca拮抗薬,RAS阻害薬,利尿薬の3剤で目標血圧に達しない場合

降圧薬増量,または服薬法変更
服薬を1日2回または夜1回に

MR拮抗薬の追加
・血清Kに注意
・治療抵抗性高血圧を呈する患者へのスピロノラクトン25~50mg/day投与は,プラセボおよびドキサゾシンやビソプロロールと比較して診察室血圧・診察室外血圧を有意に低下させることが明らかになっている.
・エプレレノンやエサキセレノンはまだ十分な報告はないが,同様の効果が期待できる.

交感神経抑制薬(αβ遮断薬,β遮断薬,α遮断薬)の追加

さらなる併用療法
1)中枢性交感神経抑制薬の追加
2)血管拡張薬の追加(ヒドララジンなど)
3)ジヒドロピリジン系,非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬の併用
4)ARB,ACE阻害薬,直接的レニン阻害薬のうち,2種の併用(血清K,腎機能に注意)
5)サイアザイド利尿薬,ループ利尿薬の併用

腎交感神経デナベーション renal sympathetic denervation;RDN

大腿動脈から挿入したカテーテルを腎動脈に誘導し,血管内側側から高周波を発生させ外膜に局在する腎神経を焼灼し,血圧を低下させる.

1)2009年に初めて治療抵抗性高血圧に臨床応用され,その後も降圧薬と比較し,診察室高血圧や24時間血圧測定値を明らかに低下することが報告された.
2)しかし,2014年の単盲検比較試験であるSYMPLICITY-3において,RDNが偽手術群を対照として,RDNの安全性は問題ないものの,血圧低下への効果に対しては有意差がなかった.
→治療手技,焼灼部位,患者要因の差などが,効果に影響する可能性
3)未治療,軽症・中等症高血圧を対象にしたRDN群と偽手術群の盲検比較試験において,診察室血圧と24時間血圧値がRDN術群で有意に低下したことが報告されている.

今後に期待!

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