前立腺膿瘍 prostatic abscess

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なすび医学ノート

急性前立腺炎が難治性の場合や治療が不十分な際に3~5 %程度の確率で発症する比較的まれな疾患.

病態

逆行性尿路感染や血行性感染.

前立腺は血流豊富な臓器であるため前立腺膿瘍は菌血症を伴いやすく,他臓器の感染を合併した報告(肝膿瘍・敗血症性肺塞栓症・感染性心内膜炎・化膿性脊椎炎・化膿性胸鎖関節炎・筋膿瘍・眼内炎など)が多数存在する.

急性前立腺炎の起因菌としては大腸菌等の腸内細菌の占める割合が多く,ブドウ球菌の占める割合は3%に過ぎないと報告されている.
・ブドウ球菌による前立腺膿瘍の報告は散見されており,ブドウ球菌が前立腺膿瘍の起因菌として占める割合は増加しるいる可能性がある.

背景因子としては糖尿病患者が約2/3(49 例中33例)を占めており,糖尿病罹患が前立腺膿瘍発症のリスク因子.
他の因子としては尿道カテーテル留置や排尿障害を来たす泌尿器疾患既往の割合が多い.

症候

発症時の症状については発熱が9 割近い症例(49 例中44 例)に認められるのに対して,尿閉・頻尿・排尿時痛といった排尿障害の存在は約半数(49 例中26 例)にしか認められなかった.

前立腺膿瘍自体は特異的な症状に乏しく問診や診察のみでは一般的な尿路感染症との鑑別が困難.

治療

早期からの抗菌薬投与に加えて,膿瘍径が大きい場合は排膿ドレナージが望ましく,治療開始が遅れると治療期間も長期化することが多い.

前立腺膿瘍を発症した糖尿病患者が診断に日数を要したことで治療開始が遅れ,敗血症から死亡に至った例も報告されている.
→いかに早期に診断して治療を開始できるかが重要

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