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肝臓内外の比較的大型の胆管に多発性・不連続性の狭窄が発生し,胆汁うっ滞を来たす自己免疫性肝胆疾患.
根本的な治療法がなく,緩徐に進行して肝硬変に至り,肝移植を必要とする症例も少なくない.
疫学
2018年の調査では,本邦の推定患者数は約2,300人,人口10万人あたりの有病率は1.80.
・2007年の0.95/10万人と比較して約2倍に増加している.
男女比は,1:0.9とやや男性に多い.
好発年齢は,若年層(20~40歳)と高齢層(65~70歳)の二峰性.
原因
遺伝因子,免疫学的因子,環境因子など複合的な要因が病態の形成に寄与する多因子疾患と考えられている.
・腸内細菌叢の関与が最近注目されている.
病態
肝硬変,肝不全
比較的大型の胆管周囲に炎症細胞が浸潤し,胆管の狭窄による胆汁うっ滞を来たし,最終的に肝硬変・肝不全に至る.
胆管癌,胆嚢癌,肝細胞癌の高リスク→定期的なサーベイランスが必要.
腸管病変
潰瘍性大腸炎やCrohn病などの炎症性腸疾患を高率に合併する.
・本邦では約40%,欧米では60~70%.
直腸病変を伴わない,右側型が多い,backwash iletisとして知られる回腸病変を合併することなどの特徴を持つ.
臨床経過
発見時の臨床症状としては,黄疸,皮膚掻痒感,上腹部痛,体重減少など.
*無症状で発見される症例が半数以上を占め,検診などの肝機能異常を契機に診断される症例が少なくない.
肝硬変進展例では,黄疸や腹水,門脈圧亢進症状や肝性脳症などを認める.
治療
内科的治療
ウルソデオキシコール酸 ursodeoxycholic acid;UDCA,bezafibrateの血清胆道系酵素の改善効果が報告されているが,長期的予後を改善するエビデンスは乏しい.