腎移植:移植後の注意点

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なすび医学ノート

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診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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拒絶反応についてはこちらの記事
感染症についてはこちらの記事
再発腎炎についてはこちらの記事

高度蛋白尿

〇移植後の高度蛋白尿は腎炎・腎症の再発,慢性移植糸球体症(慢性拒絶反応,allograft nephropathy, transplant glomerulopathy)が多く,稀に,新規発症(de novo)腎炎,ドナーからの持ち込み腎炎などが考えられる.
・急性拒絶反応やカルシニューリン阻害薬の腎毒性では蛋白尿は出ても高度となることは稀である.
○自己腎からの尿蛋白流出は移植前にネフローゼ域であっても,移植後1ヶ月前後でほぼ消失することが知られている(自己腎への血流が低下することが1つの理由とされている).

ドナーの腎機能低下

〇ドナーは術後に腎機能は術前の約70%強まで低下し,CKD stage3相当となる例も多い.
・術後ドナーもCKD患者として,定期的に外来フォローする必要がある。
・提供後の腎機能はほとんどの例で7割まで低下後は安定することが大規模な観察研究で認められているが,なかには,数年以上にわたって安定化後に急激に悪化する例があり,また,透析になる例もあるのは事実である.
・提供前に十分話して理解を得ることが必須である。

〇特に,蛋白尿や高血圧は腎機能悪化の因子として重要である.

移植後糖尿病  post-transplant diabetes mellitus;PTDM

○ステロイド,カルシニューリン阻害薬など移植後免疫抑制に使用する薬剤により薬剤性糖尿病として発症する.

〇移植後には肥満が出現しやすく,肥満によるインスリン感受性低下が発症の一因でもある.

〇移植後のビタミンD不足なども一因といわれる.

移植後の妊娠

○移植患者の妊娠の経過は,移植腎の機能がよければ,非常に良好で,妊娠可能な女性の透析症例では,妊娠を希望して移植を決意する場合もある.

○移植後の良好な妊娠経過を望むには,移植1~2年後で血清Cr値の上昇が1.5 mg/dL以下,最近の拒絶がなく,血圧正常,蛋白尿陰性などのほかに,プレドニン® 15 mg/日以下,イムラン® 2 mg/kg/日未満,シクロスポリンも治療レベル以下などの薬剤使用下で行われるべきで,むしろ安定した移植腎機能を得るためには,適切な薬剤の使用が必要とされている.

身体障害者手帳

○わが国では慢性腎不全で透析施行中の患者はすべて身体障害者1級または3級であり,基本的に移植後も移植腎機能が安定することは保証の限りではなく,身体障害者手帳の返却は義務づけられていない.

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