横隔膜交通症 plueroperitoneal communication

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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腹膜透析における合併症の一つで,透析液が胸腔内へ移行することにより胸水貯留をきたす.

CAPDを継続できず,HDへ移行した症例も多く報告されており,CAPD患者の重要な合併症の一つ.

疫学

CAPD患者の横隔膜交通症発症頻度は1.6~10%とされている.

横隔膜交通症による胸水を右側88%,左側8%,両側4%に認めた報告とされている.

男女比は異なり,1:2.05と女性に多い傾向にある.

原因

1)横隔膜の先天的な部分的欠損や外傷性の欠損

2)横隔膜の嚢胞や亀裂の存在

3)大動脈周囲のリンパ性経路や腹膜・横隔膜・胸膜を介する拡散

など

症状

咳嗽,胸痛,呼吸困難など胸水貯留に伴うもの.

無症状のこともある.

診断

胸腔と腹腔との交通を証明する.

1)色素
 インジゴカルミン,メチレンブルー,インドシアニングリーンなど)
・胸水穿刺が必要.
・化学的腹膜炎を起こしうる.

2)造影剤
・血行性に胸腔へ分布する可能性がある.
・偽陽性や偽陰性が多く信頼度が低い.

3)放射線同位元素
 99mTc-macroaggregated albumin(MAA),99mTc-human serum albumin(HSA),99Tc-Sn-colloid)
・施設が限られる.
・非侵襲的に行える.
・経時的なデータが得られる.
・組織刺激性がない.
・繰り返し施行可能で治療効果判定にも使用することができる.

治療

1)保存的治療
 PDの中断・透析量の減量

2)胸腔癒着術
 自己血,フィブリン糊,タルクなど
・治療率は約50%.

3)手術
 開胸下瘻孔閉鎖術,胸腔鏡下瘻孔閉鎖術
・約90%の治癒(交通部位確認の可否が治癒率に大きく関わる)

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