血漿輸血 plasma transfusion

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

適応

PT,APTT,血漿フィブリノゲン濃度を測定する.
(目的は出血傾向の改善にあり,検査値の正常化は目指さなくてもいい)

第Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,ⅩⅢ因子など,血漿分画製剤や遺伝子組み換え製剤・代替医薬品があれば,通常,血漿輸血の適応とならない.

ビタミンK依存性凝固因子欠乏症(第Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅱ因子)→プロトロンビン複合体濃縮製剤

低・無フィブリノゲン血症,von Willebrand病→濃縮フィブリノゲン製剤,von Willebrand因子を含む第Ⅷ因子製剤

第ⅩⅡ因子,高分子キニノゲン欠乏症,プレカリクレイン欠乏症→出血傾向に乏しく,通常適応にならない

凝固因子の補充

・PT延長(30%以下 or INR 2以上)
・APTT延長(25%以下 or 基準値上限の2倍以上)
・低フィブリノゲン血症(フィブリノゲン100~150mg/dL未満)
・肝障害
・L-アスパラギナーゼ投与後(凝固阻止因子も低下)
・DIC
・大量輸血時(希釈性凝固障害の予防・治療)
・血漿分画製剤や遺伝子組み換え製剤のない凝固因子欠乏症
・クマリン系薬剤効果の緊急補正(ビタミンK補給により可能な1時間以内の補正が必要で,濃縮プロトロンビン複合体製剤が使用できない場合)

凝固阻止因子,線溶因子の補充

・プロテインC/プロテインS欠乏症(ヘパリンなど抗凝固療法を併用)
・プラスミンインヒビター欠乏症(トラネキサム酸など抗線溶薬を併用)

血漿因子の補充

・後天性血栓性血小板減少性紫斑病(血漿製剤を置換液とした血漿交換)
・先天性血栓性血小板減少性紫斑病(血漿製剤単独投与)

手術・外傷における血漿輸血

大量出血や大量輸血を伴わない手術・外傷
・重大な凝固障害がない限り,不要.

大量出血や大量輸血を伴う手術・外傷(希釈性凝固障害を避ける)
・血漿製剤を10~15mL/kg
・単位数で,血漿製剤:血小板製剤:赤血球製剤=1:1:1の比率で輸血
・血漿フィブリノゲン濃度<150mg/dLの場合,止血困難になりやすく,フィブリノゲン濃縮製剤(50mg/kgで開始)やクリオプレシピテート(院内調整)の使用を考慮する.
 フィブリノゲン濃縮製剤は,「先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向」以外は保険適応外.

種類

保存前白血球除去新鮮凍結血漿製剤 leukocytes reduced fresh frozen plasma;FFP-LR

国内の血漿製剤はすべてこれ.

1単位あたりの白血球数は1×10^6個以下と少なく,凍結によりほとんど破壊される.

FFP-LR 120→120mL,血液200mL(1単位)に相当
FFP-LR 240→240mL,血液400mL(2単位)に相当
FFP-LR 480→480mL,成分輸血由来,主に血漿交換に用いられる.

安全性担保のため,採血後180日は未使用のまま保管される(-20℃以下で凍結保存).
使用時は,ビニール袋に入れたまま30~37℃の恒温槽や血漿製剤融解装置で融解する(再凍結はできない).
有効期限は,採血後180日~1年後.
融解後24時間以内は凝固因子の安定性は保たれているため,24時間以内に輸注OK.

効果

止血に必要な凝固因子活性は20~30%以上.
生体内回収率は2/3程度.
→FFP-LR120投与後の凝固因子活性増加[ポイント]=120[mL]÷循環血漿量[mL]×2÷3
*循環血漿量=体重×4%

止血に必要な凝固因子濃度と生体内動態

注意点

代謝異常

血漿製剤上清のNa濃度は,1単位・2単位製剤が約170mmol/L,4単位製剤が約150mmol/Lと高いため,心不全など容量負荷が懸念される場合は,注意する.

K 3~4mmol/L
グルコース 360mg/dl
アルブミン 4g/dL
浸透圧 300mOsm/kgH2O
pH 7.3~7.4

血漿輸血後腎障害・血管攣縮

凍結時に混在する少量の白血球,赤血球,血小板は融解によりほぼ破壊されるが,上清に5~8g/dLの遊離Hbが存在する.

ウイルス感染症

血漿分画製剤と異なり,ウイルス不活化処理がされていない.

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