パーキンソン病,Parkinson病

医学ノート(なすび用)

Parkinson’s disease;PD

ドーパミン欠乏

現在は,PDの主要な運動症状である運動緩慢・振戦・筋強剛だけでなく,感覚障害,自律神経症状,精神症状,認知機能低下,睡眠障害などの非運動症状によっても特徴づけられる末梢・中枢神経をともに障害する多系統疾患と理解されている.

注目すべきは,運動症状の発症が臨床経過の中間点ということ.
・運動症状発症の10~20年前から便秘・睡眠障害・うつ・嗅覚低下などの非運動症状で特徴づけられる時期がある.
・運動症状発症後は,早期・進行期・後期と進展していく.

パーキンソン病診療ガイドライン2018

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疫学

Alzheimer病に次いで頻度の高い神経変性疾患で,増加傾向にある.

「パーキンソン・パンデミック」
2015年に全世界の患者数は690万人であったものが,2040年には1,400万人以上に増加すると予想され,警鐘が鳴らされている.

病態

「Lewy小体」と呼ばれる細胞質内封入体が病理学的特徴

Lewy小体は,黒質ドパミン神経細胞や青斑核などPDで変性するニューロンでみられる.

αシヌクレインのプリオン仮説

αシヌクレインは前シナプス領域の細胞質に豊富に存在する.

遺伝子変異や環境要因によってβ構造を持つ病的構造に変化すると,オリゴマー・プロトフィブリルという凝集体を形成.
やがて不溶性の線維構造をとってLewy小体を形成することが想定されている.

プリオン様の性質を持つことが判明
・ミスフォールディングを起こし病的構造を持つαシヌクレインは野生型のαシヌクレインの鋳型(シード)になって病的構造を変えてしまう.

Lewy小体の最初期病変は,延髄の迷走神経背側核,そして嗅球

延髄の迷走神経背側核→連続的に橋・中脳へつ上向

嗅球→辺縁系を経て新皮質へ

なすび院長
なすび院長

臨床経過とも合致するため,現在はこの仮説が受け入れられている.
連続的に病変が広がるのはプリオン仮説で証明できる.

Parkinson病腸管起源説

消化管の粘膜下・筋層内神経叢にもLewy小体病理がみられる.
迷走神経切断術でPD発症のリスクが減少するという報告.

早期PDの治療

65歳以下の比較的若い患者など運動合併症の発現リスクが高い患者を除き,原則L-ドパで治療を開始し,運動合併症の発現リスクが高い場合はL-ドパ以外の薬物療法で開始することが推奨.

L-ドパ

最も効果と安全性が高い.

3~5年以上長期服用するとウェアリングオフ(薬効が短縮),ジスキネジア(身体が勝手に動く)などの運動合併症が出現し,患者のQOLが大きく低下.

持続的ドパミン刺激 continuous dopaminergic stimulation;CDS
線条体のドパミン濃度はほぼ一定だが,L-ドパは半減期が60~90分と短いため,1日3回服用するとドパミンのパルス状の刺激が1日3回,ドパミン受容体を強く刺激し,線条体以下の基底核の運動回路に病的な可塑性が生まれ,運動合併症が出現すると考えられている.

ドパミンアゴニスト dopamin agonist;DA

PDの初期治療には,半減期が長いドパミンアゴニスト(dopamin agonist;DA)を使用すると,運動合併症(特にジスキネジア)の出現が顕著に遅延することが示されている.

安全性に問題が多い.
 眠気,突発性睡眠,消化器症状,浮腫,幻覚,衝動制御障害(病的賭博・性的逸脱など)

進行期PDの治療

問題点は,運動症状の日内変動とジスキネジアに代表される運動合併症.

ジスキネジア対策

アマンタジンが有効.それ以外はエビデンスなし.

ウェアリングオフ対策

オフ時間の短縮効果で最も強力なのは,DA.

次いで,MAO-B阻害薬,ゾニサミド,イストラデフィリン.

デバイス補助治療 deviced aided therapy;DAT

薬物療法が限界に達した場合.

脳深部刺激療法 deep brain stimulation;DBS

視床下核 or 淡蒼球内節に電極を挿入し,130Hzの高頻度刺激を行うことで,大脳基底核の運動回路の電気活動を修飾する.

視床下核のDBS(STN-DBS)→運動症状の改善,L-ドパなどの減量効果.

淡蒼球のDBS(GPi-DBS)→ジスキネジアの改善

βオシレーションが運動症状発現のバイオマーカーとする仮説が有力.

L-ドパ持続経腸療法 levodopa-carbidopa continuous infusion gel;LCIG

胃瘻を増設し,それを通じて先端が空腸に到達するPEG-JチューブでL-ドパ/カルビドパのゲルを直接,L-ドパ吸収部位の空腸へ送り込む.

no-on,delayed-on
PD進行期には自律神経症状のために胃の運動が低下し,L-ドパが空腸まで運ばれない.

数時間の単位でオフ時間が短縮するとともに日常生活の支障になるジスキネジアを伴わないオン時間が延長する.

集束超音波視床破壊術

片側性の振戦には顕著な効果を発揮する.

非運動症状の治療

医学ノート(なすび用)
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なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
勉強好きで,私用に細々とまとめています.

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