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副腎外の交感神経系及び副交感神経系といった神経内分泌組織から発生した傍神経節腫瘍.
1)褐色細胞腫同様の対応が必要.
2)病理学的には褐色細胞腫と同様.良悪性の識別は困難.同義語として,グロムス腫瘍(glomus tumor)やchemodectomaがある.
3)完全切除できれば予後は良好.
4)転移がある場合は悪性として扱われる.
病態
頸動脈分岐部の頸動脈小体(carotid body tumor)からの発生が多く,この場合は無症状で40歳以降に発見される.
大動脈交感神経傍神経節発生では,交感神経周囲の後縦隔に発生する.
他,鼓室,頸静脈球,迷走神経に発生する.
肺の軟骨性過誤腫およびGISTと合併すると,Carney’s triadと呼ばれる.
腹部・骨盤部パラガングリオーマでは悪性の割合が40%程度と高く,コハク酸脱水素酵素サブユニットB遺伝子(succinate dehydrogenase subunit B gene;SDHB)の変異を高率に認める.
症候
半数程度に症状あり.より若年の傾向.周囲への浸潤により生じた症状(疼痛,咳嗽,嚥下困難,嗄声,呼吸困難)により発症.
極めて血管に富むことが特徴.造影早期相できわめて強い.
MRI
1)salt-and-pepper appearanceと表現され,出血や血流が遅い血管が高信号(salt)として認められ,血流の早い腫瘍血管がflow void(pepper)としてみとめられる.
T2WIだけではなく,T1WIにおいてもこう呼ばれる.
→傍神経節腫に比較的特徴的だが,1cm以下の小さな腫瘤では稀.
2)腫瘍血管の評価にはMRAが有用.