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掌蹠膿疱症ネット(他サイト)
掌蹠に角化性紅斑局面と無菌性小膿疱が生じる慢性反復性疾患.
病態
詳細は不明.
ときに慢性扁桃炎や,う歯,歯肉炎,副鼻腔炎,中耳炎,虫垂炎,胆嚢炎などの病巣感染を合併することが知られ,溶連菌やスーパー抗原に対する免疫応答異常が報告されている.
歯科金属アレルギー説もある.
補体,LTB4やIL-8などの好中球遊走因子により,角層下へ好中球が集積し,膿疱を形成する.
掌蹠膿疱症性骨関節炎
・約10%の症例で胸肋鎖骨関節,脊椎,仙腸関節などの関節炎を合併する.
・前胸部に疼痛を生じることが多い.
・肩甲部・頸部痛を生じることも稀でなく,皮膚症状と合わせて患者のQOLを著しく障害する.
→前胸部痛などの関節痛を認めた場合,掌蹠の皮疹の有無を問診し,本疾患の可能性も考える!
症候
問診
初診時に喫煙歴,扁桃炎,歯牙感染,副鼻腔炎などを問診することが重要.
→悪化因子であるため,禁煙を勧め,病巣感染の有無を検査する.感染病巣があった場合は,他科と連携し積極的に治療をする必要がある.
症状
・掌蹠の鱗屑を伴う限局性紅斑局面と膿疱形成が主症状で,通常,対称性に生じる.
・乾癬様皮疹や膿疱が,膝や下肢,ときには被髪部,外耳道にも生じることがある.
・爪の変形や爪囲炎を合併することも多い.
・SAPHO症候群(synovitis,acne,pustulosis,hyperostosis,osteitis)の部分症状として発症することがある.
治療
1)まずステロイドホルモン軟膏や活性型ビタミンD3軟膏外用で,関節炎に対してNSAIDs内服を行う.
その他にPUVA療法,ナローバンドUVB,エキシマライトなどの光線療法や,抗生物質,エトレチネート(ビタミンA誘導体),ビオチン(ビタミンB7・H)などの内服療法を行う.
2)悪化因子があれば,それに対する治療
3)治療効果が不十分な場合,シクロスポリンの内服や生物学的製剤の投与を検討する
近年,抗IL-23p19抗体であるグセルクマブ(トレムフィア®)が本邦では初めて本症に保険適用を得た.
グセルクマブは,乾癬や掌蹠膿疱症の病態形成に関与するIL-23を選択的に阻害するヒト型モノクローナル抗体.
現在のところ、本剤以外に掌蹠膿疱症に対する保険適用を有する薬剤はない。