過活動膀胱 overactive bladder;OAB

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

○尿意切迫感を必須の症状とする症状症候群.
・尿意切迫感とは,突然に起きる強い尿意であり,排尿を我慢することができないような知覚である.

○通常は頻尿を伴う.1日8回以上の排尿回数が頻尿の定義として定められている.

○切迫性尿失禁は診断に必須の条件ではないが,OAB患者の約53%に切迫性尿失禁が認められ,OAB wetと分類されている.尿失禁のない群をOAB dryとよぶ.

病態

病因

○脳血管障害,脊髄疾患などの神経因性や,前立腺肥大症,加齢,骨盤底の脆弱化など非神経因性のものがある.

診断

○評価には,過活動膀胱スコア Overactive bladder syndrome score (OABSS) を用いて重症度判定を行う.
・尿意切迫感が週1回以上であることが必須条件であり,3点以上でOABと診断される.

○排尿時刻,排尿量などを記録する排尿記録(日誌)が症状の把握に有用である.

○診断には,他疾患の除外が必要であり,検尿にて血膿尿および超音波検査にて残尿のチェックは最低限必要である.

治療

行動療法

○侵襲がなく,副作用がない点で高齢者に推奨される治療法.

■生活指導
過剰な水分摂取やカフェイン摂取の抑制,早めの排尿,外出時のトイレ位置確認などのトイレ習慣の改善を指導.1日尿量が2000mLを超えないような水分摂取.

■膀胱訓練
排尿間隔を少しずつ延長させ,膀胱容量を増加させる訓練.

■理学療法
骨盤底筋を意図的に収縮させる訓練と筋電図などによるバイオフィードバック療法.

■排泄介助
個々の排尿パターンにあわせて一定間隔で尿失禁が起きる前にトイレに誘導する.ADLの低い高齢者や認知障害の患者で行う.

抗コリン薬

○口内乾燥,便秘,眼調整障害,排尿困難などの副作用があり,継続使用ができない症例も多く認められる.

ウリトス®
トビエース®
ベシケア®
バップフォー®

β3アドレナリン受容体刺激薬

○β3アドレナリン受容体を刺激することにより,膀胱を弛緩させる.

ベタニス®

ベオーバ® ビベグロン

1日1回50mg投与
2019年12月1日より長期処方可能に
禁忌:アレルギー以外なし

○β3アドレナリン受容体を選択的に刺激し,細胞内Ca2+濃度が低下することで膀胱平滑筋を弛緩させ(in vitro),膀胱容量を増大させる(カニクイザル).
・ピロリジン骨格を導入→代謝安定性の向上,CYP阻害の低減
・右側環状構造の最適化→OFF-target副作用の回避,遺伝毒性の回避,CYP阻害の低減

○尿意切迫感(正常化率28.9%),頻尿(正常化率31.9%),切迫性尿失禁(正常化率55.9%)に対し,52週まで有効性を維持.
○QOLの指標となったキング健康調査票のすべての項目を改善.
○懸念された心拍数増加やQT延長は観察されなかった.

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