鎮痛薬による腎障害(主にNSAIDs腎症)

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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NSAIDsによる腎障害は,使用開始後から数日~数週程度でAKIとして発症することが多い.

腎前性腎不全,急性尿細管壊死(NSAIDs)

投与前から腎血流が低下しており,プロスタグランジン(PG)やアンジオテンシンⅡが亢進している場合が多い.
それに加えて,NSAIDsを投与してPGを抑制することによって,血管収縮が生じ,虚血に至るとされる.
→NSAIDsの速やかな中止または減量を行う.
→もともとのプロスタグランジン(PG)やアンジオテンシンⅡが亢進している状態を是正することも重要.

プロスタグランジンは輸入細動脈を拡張させ,腎血流量や糸球体濾過量を維持する作用がある.

胃潰瘍などの副作用の面からセレコキシブなどのCOX-2選択的阻害薬が使用されることもあるが,COX-2は恒常的に腎臓に発現しており,COX-2非選択的阻害薬との急性腎障害の発症の頻度に差はない.
慢性的な腎機能低下にも差は認めない.

予防には,腎血流の保持のため適切な体液量管理が重要.

なすび院長
なすび院長

特にRAS阻害薬などの腎血流に影響する薬剤との併用や,動脈硬化性病変が強い患者,腎血流が低下した高齢者・CKD患者では要注意.

腎障害を発症した場合は,速やかに薬剤を中止し,補液を含めた適切な体液コントロールを行うことで,可逆的に回復することが多い.

微小変化型ネフローゼ症候群(NSAIDs)

メカニズムは十分に解明されていないが,リポキシゲナーゼ経路の関与が推定されている.

アラキドン酸はCOXによりプロスタグランジンに変換され,リポキシゲナーゼ経路によりロイコトリエン(LT)に変換される.
→NSAIDsのCOX阻害作用により,リポキシゲナーゼ経路でのLT産生が亢進し,過剰なLTが糸球体上皮細胞を障害することが想定されている.

微小変化型ネフローゼ症候群と急性アレルギー性尿細管間質性腎炎が併存する.
*抗生物質による急性アレルギー性尿細管間質性腎炎のときのような,発熱や関節痛など炎症症状を伴わないのが普通.

トロンボキサンA2の低下,またTリンパ球機能亢進によるリンフォカイン産生を増加させることが糸球体基底膜の透過性を亢進させ,ネフローゼ症候群を呈する.

尿細管間質性腎炎(NSAIDs)

高頻度に起こす病型.アレルギー性の機序が考えられる.

全身的な症状としては,発熱・発疹・関節痛を認めることがあるが,まったく全身症状が出ないときもある.

疑われた場合は腎生検を行い,診断を確定し,必要に応じてステロイドの投与を検討していく.

アセトアミノフェン長期内服による急性尿細管壊死

詳細な発症機序は不明であるが,中間活性代謝産物であるN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンが直接毒性を示し,急性腎障害を呈すると推察されている.

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