ノロウイルス感染症

医学ノート(なすび用)

ノロウイルスはヒトに経口感染して十二指腸から小腸上部で増殖し,伝染性の消化器感染症(感染性胃腸炎)を起こす.

なすび専用のまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
ちゃんとした正書や情報提供サイトを強く推奨します.
当ブログは一切の責任を負いません.

疫学

2006年の食中毒報告患者数は,71%がノロウイルス感染症.

年間を通じて発症するが,11~3月の発症が多く報告される.

原因

経口感染が原因.

糞便や吐瀉物がごくわずかに混入した飲食物を摂取したり,汚物を処理したときに少数のウイルス粒子が手指・衣服・器物などに付着し,そこから食品などを介して再び経口的に感染する.

なすび院長
なすび院長

ノロウイルスは胃酸抵抗性を有しており,100個程度の少数でも発症するとされる.

感染型食中毒

食中毒:ウイルスを蓄積した食材・ウイルスで汚染された食品が原因.
水系感染:ウイルスで汚染された水道水・井戸水などが原因.

カキ,アサリ,シジミなどの二枚貝によるものが最も多いと言われてきたが,最近は減っている.
・貝類自体には感染しないが,消化器官に海水中から濾過摂食されたノロウイルスが蓄積することが原因と考えられている.

ヒトからヒト(施設内感染,院内感染)

感染者の糞便や吐物(手指を介した直接感染,ウイルスが付着した飛沫からエアロゾル感染)
→感染者が十分に手を洗わず調理した食品を食べて感染する.

病態

毒素は分泌せずに, 十二指腸から上部小腸腸壁細胞に感染して ,小腸上皮細胞を脱落させる.

稀に十二指腸潰瘍を併発することもある.

感染から発病までの潜伏期間は12時間~72時間(平均1~2日).
症状が収まった後も便からのウイルスの排出は1~3週間程度続く.

症状

主な症状は,嘔吐・下痢・発熱.
→突発的な激しい吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・悪寒・38℃程度の発熱で,苦痛が極めて大きい.
→通常,1~2日で治癒するが,免疫力の低下した老人や乳幼児では長引くことがある.

個人差があり,感染しても発症しないまま終わる場合(不顕性感染)や風邪症候群と同様の症状が現れるのみの場合もある.
→無症候性キャリアとして感染源になる場合があり,食品取り扱い時には注意が必要.

診断

流行時に臨床診断には,Kaplan criteriaが推奨される.

①患者のうち半数以上に嘔吐がある.
②潜伏期間が24~48時間.
③罹病期間が12~60時間.
④便培養で病原細菌がいない.

臨床検査としては「クイックナビ-ノロ」が発売され,保険適用となっている(以下の制約あり,ハイリスク症例のみ)

<保険適応(自費では3000~5000円)>
①3歳未満の患者
②65歳以上の患者
③悪性腫瘍の診断が確定している患者
④臓器移植後の患者
⑤抗悪性腫瘍剤,免疫抑制剤,免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

ELISA法ではウイルスが少量である場合は検出できないこともあるので,ちゃんと診断するならRT-PCR法が推奨される.

治療

ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬はなく,対症療法のみ(輸液など)

止瀉薬は基本的に使用しない.

家庭においては,経口補水液・スポーツドリンクを温めてから飲むことが推奨される.
*電解質を含まないと水分の吸収が遅い.

感染予防

特に飲食物を扱う人が十分な衛生管理を行うことが重要.

有効なワクチンはまだ存在しない.

衣服・寝具・家庭用品・家具などの表面で数週間生存することができるため,手洗いや器具の洗浄が必須.
*アルコールでは不活化されないため,物理的に洗い流す.
*環境の消毒には次亜塩素酸が用いられる.

ノロウイルスは60℃30分の加熱では感染性は失われず,85℃以上1分間以上の加熱によって感染性を失うため,中心部まで十分に加熱することも重要.

医学ノート(なすび用)
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なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
勉強好きで,私用に細々とまとめています.

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事務長:かえる

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