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急性血行遮断により広範囲の下肢が阻血となることで組織壊死や横紋筋融解を生じ,虚血再灌流後に代謝性アシドーシス,高K血症,高ミオグロビン血症などを合併し,急性腎障害(acute kidney injury;AKI)をはじめとする多臓器不全(multiple organ failure;MOF),呼吸不全,循環不全まで至りうる病態.
原因は異なるが,長時間の圧迫により骨格筋が挫滅し圧迫からの解放で発症するcrush syndromeとは,病態としては酷似している.
病態
急性血行遮断による虚血により障害された広範な骨格筋に再灌流が伴うことで生じる.
低酸素による嫌気性代謝が主体となり筋融解を中心とした組織障害が生じており,組織内でK,ミオグロビン,CPK,LDH,乳酸,サイトカインなどの濃度が上昇する.
→これらが再灌流によって一気に全身循環に流入し,高K血症,ミオグロビンによるAKI,乳酸による代謝性アシドーシスが急激に出現し,MOF,呼吸不全,循環不全まで至りうる.
治療
まずは適切な輸液管理とアシドーシスや電解質補正.
→AKIの発生を最小限に防ぎ全身状態を保つ.
腎補助とミオグロビン,サイトカインなどの中分子物質の除去を目的とした主に血液濾過による血液浄化療法が必要になる.