重症筋無力症 myasthenia gravis;MG

スポンサーリンク
なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

骨格筋の神経筋接合部(neuromuscular junction;NMJ)において,自己免疫機序により刺激伝達が障害される疾患.

疫学

有病率は人口10万人あたり5.1~11.8人.

男女比は1:1.5~1.7とやや女性に多い.

好発年齢は性差があり,女性では10歳以下と30歳代,男性では10歳以下と50歳代と二峰性のピークを認めるといわれている.

病態

アセチルコリン受容体acetylcholine receptor(ACheR) or 筋特異的チロシンキナーゼ muscle specific receptor kinase(MuSK)に対する自己抗体による神経筋接合部の伝達障害で発症する.

AChRの総数が減少し,発症する.

症候

症状

筋肉の易疲労性,筋脱力などで,朝より夕方に強く現れる日内変動を認める.

眼筋型

眼瞼下垂,複視

全身型

眼症状と全身の易疲労性を呈する.

主として近位筋,顔面筋を侵すことから検査部位として僧帽筋,顔面筋が推奨されている.

自己抗体

抗Ache受容体抗体

特異性95%以上,感受性約70%

抗MuSK抗体

約5~10%.

1)女性に多い.
2)胸腺腫合併が少ない.
3)エドロホニウム反応性が低い.
4)クリーゼをきたしやすい.
5)免疫吸着による除去は不可能で単純血漿交換を行う必要がある.

Tensilon test

特異度?(GBS,ALSでも陽性)
感受性約70~80%.

検査時悪化することもあり(MuSK,seronegative)
注射にはプラセボ効果もあるので,Tensilon注射時には生理食塩水の追加を心がける.

Ice pack test

特異度?(GBS,ALSでも陽性)
感受性約70~80%.

副作用がない.

電気生理学的検査

反復神経刺激法 Repetitive Nerve Stimulation;RNS

末梢神経を繰り返し刺激し,複合筋活動電位 compound muscle action potential(CMAP)を測定することで,神経筋接合部の機能を調べる.
→漸減現象(waning)陽性

waning発現のメカニズム
神経の興奮が終末に達すると,シナプス前膜の電位依存性のCa2+イオンチャネルが開き,Ca2+イオンが軸索細胞内に流入する.
→流入の結果,多数の小胞が接合部間隙に放出され,Achが受容体に付着すると分子構造の変化により非特異的にNa+イオンの透過性を増大させ,筋線維細胞膜に終末電流が生じる.
→反復刺激を加えることで,シナプス小胞から放出されるAch量は減少する.
→MGでは,抗体により一部の受容体が機能しないため,一部の筋線維では閾値に達成せず,CMAPが低下する.

特異性?(各神経筋疾患で陽性)
感受性約70%(全身型74%,眼筋50%)

RNSは簡易な検査であり素早く施行できて,患者へのICもわかりやすく,筋電図の中でもテクニカルエラーの少ない検査.

RNS陰性の場合は,SFEMGを行うことが望まれる.

単線維筋電図 single fiber electromyography;SFEMG

特異性?(各神経筋疾患で陽性)
感受性約70%(全身型74%,眼筋50%)

RNSよりは機序的にもあきらかに感受性の優れた検査であるが,熟練を要するため,すべての施設で行えない.

タイトルとURLをコピーしました