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ミトコンドリアの機能障害によって,多臓器に障害を発症する.
特にエネルギー必要量の多い骨格筋,心筋,脳に障害が現れることが多いのでミトコンドリア脳筋症ともいわれる.
遺伝子異常が関係していることが明らかにされており,臨床的にさまざまな病型に分類され,代表的な病型としてmitochondrial myopathy,encephalopathy,lactic acidosis,stroke‒like episodes(MELAS)がある.
病型は主に特徴的な中枢神経症状を基準に診断しているが,実際はこれらを合併してもつ症例や中枢神経症状がない症例も多数存在している.
腎合併症
Fanconi 症候群,巣状糸球体硬化症,尿細管間質性腎炎など多彩な報告がある.
尿細管における再吸収は,細胞内ATP の加水分解から生じるエネルギーを用いた能動輸送によるため,尿細管には豊富にミトコンドリアが存在する.
→ミトコンドリア障害によるATP 欠乏は,特に近位尿細管障害を惹起しやすい.
ミトコンドリア遺伝子異常によるエネルギー欠乏は,ultrafiltration barrier を担う多くの蛋白分子の合成障害の原因となり,その結果,尿蛋白が増加し,糸球体硬化に至る.