マグネシウム(透析)

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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 Mgは腎臓から排泄されるため,元来,腎不全では高Mg 血症に対する注意が向けられてきた.

 近年での報告により,透析患者では逆に血清Mg 濃度は高めのほうが利益をもたらすことが示されてきている.
1)血液透析患者での骨折リスクは血清Mg 低値ほど上昇
2)高リン血症に伴う心血管死亡リスクの上昇の程度は血清Mg 濃度2.7 mg/dL 未満の集団では顕著であるが,血清Mg 3.1 mg/dL 以上ではほとんど上昇せず,Mgがリンの有害性を軽減するミネラルであることが示唆されている.
3)透析患者では血清Mg が低いことと生命予後不良と関連していることが示されてきている.
→血清Mg は健常者の基準値よりもやや高めの2.7 から3.0 mg/dL において最も予後が良いことが認められている.

Hypomagnesemia is a significant predictor of cardiovascular and non-cardiovascular mortality in patients undergoing hemodialysis - PubMed
Although previous studies in the general population showed that hypomagnesemia is a risk for cardiovascular diseases (CVD), the impact of magnesium on the progn...

血液透析におけるMg

 腎不全患者ではMg の尿中排泄が低下するため高Mg 血症をきたしやすいとされているものの,実際には維持血液透析患者のうち20%程度は正常基準値以下であり,全体の58%が上述の2.7 mg/dL 未満であったことが示されている.
1)現在市販の透析液Mg 濃度が1.0 mEq/L と低く設定されているため,透析によりMg が除去されることにより低値傾向となりやすい.
2)加工食品やファーストフードの普及により,特に先進国において食事からのMg 摂取量は必要量を下回る傾向にある.

食事からのMg摂取

 日本人の食事摂取基準のMg推奨量(mg)は,男性50~69 歳で350 mg,70 歳以上で320 mg,女性50~69 歳で290 mg,70 歳以上で270 mg と示されている.
→透析患者も目指すのであれば,植物性たんぱく質比率を少なくとも60%の摂取とすることが妥当と考えられる.

 血清Mg 濃度が一定値以下の患者において,Mg摂取量を増加させる食品選択
1)植物性たんぱく質である大豆製品特に木綿豆腐,納豆,生揚げ,凍り豆腐などの摂取が有効で,日常の食事管理に摂り入れやすい.
2)種実類のアーモンド,落花生も間食として15 g/日程度摂取することがMg 摂取量を増やす方法として有効と考えらる.
3)動物性たんぱく質である,魚介類に含まれる貝類(あさり,かきなど)を摂取することもMg摂取量を増やす

 透析患者の食事管理でMg摂取量を増やしてもリン摂取量,カリウム摂取量に影響を及ぼさないことや,必須アミノ酸も充足されることが示されている.
→リンに関して,植物性たんぱく質のほうが動物性たんぱく質摂取よりもリンの吸収率が低いとされているので,植物性たんぱく質比率の高い食事はMg補給増加とともに高リン血症のコントロールにも有利と考えられる.

腸管からのMg吸収

 腸管からのMg吸収に影響する因子として経口リン吸着薬であるセベラマーは血清Mg 濃度を上昇させることが報告されている.

 副甲状腺ホルモンが低下すると血清Mg濃度も低下し,活性型ビタミンDである1,25(OH)2Dは,Mgの吸収を促進するとされている.

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