内耳に生じた特発性リンパ水腫によりめまい発作を生じる疾患で,難聴・耳鳴・耳閉塞感を伴う.
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病態
内リンパ水腫が本態
前庭に生じたないリンパ水腫によりめまいを,蝸牛に生じた内リンパ水腫により聴覚症状を生じる.
めまい発作のみを繰り返す症例や聴覚症状のみを繰り返す症例もあり,それぞれメニエール病非定型例(前庭型),メニエール病定型例(蝸牛例)と呼ばれている.
類似疾患として遅発性内リンパ水腫,梅毒性内耳炎などがある.
症候
回転性めまい/蝸牛症状の反復,数時間から1日程度続くめまい
・時に両側性.
・めまいは回転性の場合が多いが浮動性の場合もある.
変動する感音難聴(内耳性難聴)が特徴.耳鳴りの有無を確認!
検査
主に聴覚検査,平衡機能検査,内リンパ水腫推定検査,内リンパ水腫画像検査の4つの検査が行われている.
内耳造影MRI検査
鼓室内 or 静脈に投与された造影剤が外リンパへは移行するが内リンパへは移行しないことを利用し,内・外リンパにコントラストをつけ内リンパ水腫(内リンパ腔の拡大)を低信号域として検出する方法.
当初は8倍希釈の造影剤を鼓室内投与し24時間後に撮像していたが,画像技術の進歩により現在は通常量の造影剤を静脈投与し,4時間後に撮像することで内リンパ水腫の検出が可能.
MR装置はSiemens社製の3テスラユニットが適している.
蝸牛・前庭の内リンパ水腫の陽性率はメニエール病確実例でそれぞれ92%,100%.
治療
発作期
安静の上,7%重曹水の点滴,抗めまい薬,制吐薬の投与が行われる.
内服不可の場合は坐薬や注射薬を用いる.
急性感音難聴を伴っている場合はステロイド全身投与を含め,突発性難聴に準じた治療を行う.
間歇期
生活改善やストレスの緩和に努める.
内リンパ水腫軽減のため,浸透圧利尿薬,内耳循環改善薬,ビタミンB12,抗不安薬などが用いられる.
難治例
中耳加圧治療,機能温存的手術治療である内リンパ嚢開放術,選択的前庭機能破壊術であるゲンタマイシン注入術や前庭神経切断術などが行われる.