悪性リンパ腫 malignant lymphoma

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

病理

分類

Hodgkinリンパ腫

非Hodgkinリンパ腫→B細胞性リンパ腫→びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・濾胞性リンパ腫・その他
         →T細胞性リンパ腫・NK細胞性リンパ腫

診断

疑うべき所見

B症状

発熱,盗汗(寝汗),体重減少

ただし,無症状であることも多い.

リンパ節腫大

明確な定義はなく,成人では1~2cm以上とされることが多い.
*鼠径部のリンパ節は,外傷などで腫大し,1~1.5cm程度であっても扁平なものは病的腫大でないことが多い.

患者自身が,頸部・腋窩・鼠経などの表在リンパ節腫大を偶然自覚する場合もある.

場所,大きさ,数,硬さ,表面の平滑さ,周囲の組織への癒着の有無,疼痛の有無,原因となりうる感染や自己免疫疾患などの炎症性疾患がないか,増大速度や無治療での縮小傾向の有無を注意深く観察する.

一般に悪性リンパ腫によるリンパ節腫大は,無痛性といわれる.
*腫瘍が急速に増殖するものでは痛みを伴う症例もある.

血清LDH

マントル細胞リンパ腫では,予後予測の因子の項目として,成人T細胞白血病・リンパ腫では病型分類の指標の一つになっている.

血清蛋白分画検査(電気泳動解析)

B細胞の一部では,M蛋白を産生するものがあり,Mピークを認める.

高Ca血症

成人T細胞白血病・リンパ腫で認める.

画像検査

陽電子放出断層撮影 position emission tomography;PET

FDG-PETは,フルオロデオキシグルコース(flurodeoxyglucose)をフッ素の放射性同位元素である18Fで標識した 18F -FDGを用いた核医学検査.

悪性リンパ腫を含む悪性腫瘍は,正常の臓器・組織に比べ糖代謝が亢進しているため,腫瘍細胞に18F-FDGを取り込ませ,放出される放射線を検出する.
→活動性の高いリンパ腫ほど,高い集積度(standardized uptake value;SUV値)を示す.

コントロール不良な糖尿病を合併すると正確な評価が困難となるため,予め厳格な血糖コントロールを行う必要がある.

リンパ節生検

一般に明らかなな原因がない3cm以上のリンパ節,形態や臨床経過から悪性腫瘍が積極的に疑われるか,良悪性の判断が難しい場合に検討する.

なすび院長
なすび院長

悪性リンパ腫の診断には必須.

全身にリンパ節腫大がある場合には,比較的リスクの低い頸部リンパ節を行うことが望ましい.
・鼠経リンパ節や腋窩リンパ節である場合は反応性リンパ節腫大の可能性がある.

生検時には,なるべく被膜を含めて丸ごと採取する.

HE染色

組織像と細胞形態の観察

免疫組織化学検査

腫瘍細胞と判定された組織の起源,どのような免疫学的形質を有する細胞なのか?

CD3,細胞質内CD3,CD5,CD45

CD20,CD79a,CD10,免疫グロブリン

CD56

CD15,CD30,cyclin D1,bcl-2,bcl-6,MIB1(Ki-67),EBER,MUM1

フローサイトメトリー

フローサイトメーターを用いた細胞表面抗原解析.

蛍光色素標識したモノクローナル抗体を細胞表面に発現させた特定の抗原であるcluster of diffentiation(CD)と反応させる.

蛍光色素標識抗体が結合した細胞を流路に流しレーザー光を当て,細胞の大きさを反映する前方散乱光(foward scatter;FSC))と,細胞の内部構造を反映する側方散乱光(side scatter;SSC),モノクローナル抗体上の蛍光色素にレーザー光が当たり放出される蛍光をもとにゲーティングする.

対象とする細胞集団中に,どの細胞表面抗原がどの程度の割合で発現しているかを調べる.

染色体分析

ある種の悪性リンパ腫には特定の染色体異常,遺伝子異常が関与することが明らかになっていて,その検出が診断や予後の推定において重要となる場合がある.
→濾胞性リンパ腫,マントル細胞リンパ腫,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,Burkittリンパ腫

染色体分析は,転座のみならず核型異常全般を調べることができる.

Gバンド法,FISH(fluorescence in sutu hybridization)法

濾胞性リンパ腫
t(14;18) (q32;q21) 頻度70~95% 関連遺伝子BCL2

マントル細胞リンパ腫
t(11;14) (q13;q32) 頻度ほぼ100% 関連遺伝子BCL1(CCND1)

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
t(3;14) (q27;q32) 頻度30~35% 関連遺伝子BCL6
t(14;18) (q32;q32) 頻度20~30% 関連遺伝子BCL6
t(8;14) (q24;q32) 頻度10% 関連遺伝子MYC

Burkittリンパ腫
t(8;14) (q24;q32) 頻度70% 関連遺伝子MYC
t(2;8) (q12;q24) 頻度9% 関連遺伝子MYC
t(8;22) (q24;q11) 頻度22% 関連遺伝子MYC

遺伝子解析

in sutu hybridization

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