マクログロブリン血症 macroglobulinemia

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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IgMを産生するB細胞の腫瘍性増殖による疾患で,成熟B細胞と形質細胞の中間段階にあるリンパ形質細胞lymphoplasmacytic cellの増殖と血清中IgM増加を特徴とする.

疫学

60歳以降の高齢男性に多い.

時に家系内発症例があり,C型肝炎ウイルスとの関連も報告されている.

病態

○腫瘍細胞の分化段階は広いスペクトラムを有しており,リンパ節,脾臓,骨髄など増殖の場はさまざまであり,慢性リンパ性白血病と同様に末梢血中に腫瘍細胞が増加する症例も存在する.
○分子病態は単一ではないが,t(9;14)(p13;q32)転座によるPAX5遺伝子の脱制御や,t(11;18)(q21;q21)転座によるAPI2-MALT1/MLT融合遺伝子形成などの機序の関与が報告されている.

症候

症状

初発症状は全身倦怠感,体重減少,紫斑などの貧血や血小板減少に基づく症状が多い.

腫瘍浸潤による症状
リンパ節腫大,肝脾腫,肺病変,骨痛など

IgM増加に伴う過粘稠度症候群hyperviscosity syndromeに基づく症状
眼底浮腫や出血による眼症状,皮膚粘膜出血,中枢および末梢神経障害,心不全,腎不全症状,Raynaud症状,クリオグロブリンによる寒冷凝集素症などがある.

血液検査

正色素性貧血と血小板減少をみることが多い.
・赤血球の連銭形成が著明である.
・時に末梢血中にリンパ球様細胞の増加をみる.

血清総蛋白の増加と単クローン性IgM(分子量約900kD,沈降度19S)の増加を認める.
・IgMは時にクリオグロブリン活性やリウマチ因子などの自己抗体活性を有することもある.

過粘稠度症候群はIgM>3g/dl,血清粘度>4(Ostwald法)で症状が現れる.
・眼底所見で静脈のソーセージ様怒張がみられる.

尿検査

尿中BJPは10~20%にみられる.

組織所見

骨髄中に結節状に増殖したリンパ形質細胞を認める.

リンパ節生検においてはリンパ形質細胞腫lymphoplasmacytic lymphoma(LPL)で組織診断される.

治療

メルファラン,シクロホスファミドなどのアルキル化薬と副腎皮質ホルモンの併用投与が行われる.

血漿除去(交換) plasmapheresis

・緊急を要する場合の過粘稠度症候群に対して行われる.

単純血漿交換(PE),二重濾過血漿交換(DFPP),血漿冷却濾過法(クリオフィルトレーション)などが行われる.

・置換液にはアルブミンやFFPなどが用いられる.
・1回のアフェレーシスで総血漿量の1~1.5倍の置換が行われることが多い.

IgMの75%は血管内に分布するため,1~2回のアフェレーシスでIgM値は著明に低下する.

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