個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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鼻や口腔より吸入された抗原により喉頭粘膜に引き起こされるⅠ型慢性アレルギー疾患.
病態
季節性喉頭アレルギーと通年性喉頭アレルギー(慢性)に分類される.
花粉症による喉頭症状は以前よりよく知られており,喉頭,特に披裂部が鼻腔と同様にⅠ型アレルギーの発現部位であることが報告されている.
疫学
耳鼻咽喉科外来の慢性咳嗽,咽喉頭異常感を主訴とする患者で20%程度とされる.
診断
通年性喉頭アレルギー(慢性)の診断基準
1.喘鳴を伴わない8週間以上持続する乾性咳嗽
2.8週間以上持続する咽喉頭異常感(痰のからんだような感じ,掻痒感,イガイガ感,チクチクした咽頭痛など)
3.アトピー素因を示唆する所見の1つ以上認める
4.急性感染性喉頭炎,非特異的喉頭感染症(結核,梅毒,ジフテリアなど),喉頭真菌症,異物,腫瘍などそのほかの咳や異常感の原因となる局所所見がないこと(典型所見としては披裂部蒼浮腫状腫脹を認める)
*必要に応じて耳鼻咽喉科専門医による喉頭内視鏡所見による確認が望ましい.
5.症状がヒスタミンH1拮抗薬が有効(自覚症状の50%以上の改善).
上記のうち,1が欠落してもよい.
季節性の診断基準は,下線部分を「原因花粉飛散時期の前後を含めた」に置き替える.
アトピー素因を示唆する所見
1)喘息以外のアレルギー疾患の既往あるいは合併
2)末梢血好酸球増加
3)血清総IgE値の上昇
4)特異的IgE陽性
5)アレルゲン皮内テスト即時型反応陽性(1つ以上認める)
治療
ヒスタミンH1受容体拮抗薬が基本となる.
効果不十分な場合は,吸入ステロイド薬の追加を検討する.
漢方薬では,麦門冬湯,麻黄附子細辛湯が使用される.
スギ花粉症,水様性後鼻漏を合併している場合は,点鼻ステロイド薬を併用する.