孤立性収縮期高血圧 isolated systolic hypertension;ISH

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

収縮期血圧(SBP)≧140mmHgかつ拡張期血圧(DBP)<90mmHg

1)高血圧患者のうち,50歳からISHの頻度が倍増し,60歳以降の80%以上がISH (Framingham研究).
2)50歳以降ではSBP高値や脈圧(PP)の増大が脳・心血管合併症の発症・予後と関連する.
3)40%が本態性高血圧症からのburned-out typeで60%が新規発症.

病態

高齢者では,動脈硬化により大動脈の進展性が低下し,収縮期血圧は上昇し,拡張期血圧はむしろ低下する.

本態性高血圧で加齢に伴って拡張期血圧が低下して生じるもの(burned out)と,老年期になって収縮期が上昇し,新たに発症したもの(de novo)に分けられる.

心拍出量の増加

甲状腺機能亢進症・貧血・動静脈シャント・大動脈弁閉鎖不全・運動・入浴直後など

大動脈硬化(加齢に伴う)

大動脈は弾性動脈であり,中膜の主な構成線維であるエラスチンの断裂
→コラーゲンの蓄積や石灰化を伴う細胞外マトリックスのリモデリング
→大動脈のstiffness(壁硬化)が増大し,血管の進展性が低下
→SBP↑,DBP↓,脈圧開大となる.

1)収縮期には大血管から末梢への血液供給が増大
2)拡張期にはWindkessel機能低下による拡張期の末梢への血液供給が低下
*Windkessel機能(空気槽機能):心収縮時に伸展することによって心拍出による衝撃を緩衝し,心拡張期に収縮することによって拡張期血圧を発生する機能
3)反射波の拡張期に上行大動脈へ到達するタイミングが収縮期後期へシフト

症候

血圧変動性が増加→血圧日内変動の乱れ(早朝高血圧,夜間降圧異常など)

循環調節機構の異常(動脈圧受容器反射機能など)→起立性低血圧・食後低血圧

診断

坐位だけでなく,臥位や立位の血圧測定が大事.
家庭血圧や24時間自由行動血圧測定(ABPM)を用いる.

治療

1)高齢者ISHの積極的な降圧療法は有用である(SHEP,Syst-Eur,Syst-China).
→脳卒中・心筋梗塞・総死亡のいずれも有意に予防できる

2)非薬物療法や生活習慣の修正に加えて,降圧薬療法(Ca blocker,ARB,ACEI+少量利尿薬)

3)高齢者では動脈硬化進展により主要臓器は血流低下傾向にあり,急激な降圧は血流障害をきたすため,緩徐に!!

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