腸管感染症

医学ノート(なすび用)

感染性腸炎,感染性下痢症を含み,食中毒とも重なる概念.

さまざまな病原体(細菌・真菌・ウイルス・寄生虫など)が原因となる.

なすび専用のまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
ちゃんとした正書や情報提供サイトを強く推奨します.
当ブログは一切の責任を負いません.

感染様式

市中感染下痢症(食中毒を含む)

旅行者下痢症

院内・施設内感染症

抗菌薬関連下痢症

抗菌薬の投与に関連して発生する抗菌薬関連腸炎の主なものに,偽膜性大腸炎と急性出血性大腸炎があり、このうち偽膜性大腸炎は,Clostridioides difficileが関与して発生し,大腸粘膜における偽膜形成を特徴とする.

日和見感染症

性感染症など

感染経路

外因性

経口的感染が主体で,その多くが糞口感染.
・保因者や保因動物から直接的,糞便・腸内容物で汚染された食品・水・土壌・環境表面などを介して伝染する.

それ以外には経肛門的,経気道的,経皮的な感染がある.

内因性

潜在感染している病原体の再活性化や菌交代現象による.

病態

エンテロトキシンやサイトトキシンは直接腸管上皮に作用する.

炎症性下痢

サイトトキシンを産生する細菌や組織侵入型の病原体が原因.
→腸管上皮細胞の破壊と炎症反応.多くがM細胞から侵入する.

カンピロバクター・サルモネラ・赤痢菌は組織侵入するだけでなく,毒素も産生する.

病変部位は回腸終末部から大腸.

症状は,非血性下痢・腹痛・発熱など

非炎症性下痢

エンテロトキシンを産生する病原体(ジアルジア・ノロウイルスなど)が原因.
→エンテロトキシンによる吸収・分泌機構の破綻 or 粘膜の吸収面積の減少

病変部位は主に小腸.

症状は,非血性の水様下痢で,腹痛や発熱は軽度.

症状

下痢

腸管症状として最も多い.

2週間以上→原虫感染症を鑑別
1ヵ月以上→非感染性を鑑別(特発性炎症性腸疾患[inflammatory bowel disease;IBD],薬剤性など)

感染性胃腸炎疾患の罹患後に下痢型の過敏性腸症候群が発症するリスクが高まることが知られている(post-infectious IBS).

発熱

腸管外症状として多い.

腸チフスやパラチフスAは高熱が主症状でenteric feverと呼ばれる.

その他

カンピロバクター腸炎に続発するGuillan-Barre症候群

腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症による溶血性尿毒症症候群など

診断

症状の組み合わせや病歴から想定される疾患を絞り込んでいく.

確定診断は病原体の直接・間接的な証明によってなされることが多い.

便培養

細菌が原因の場合.

入院後3日以降に発症した下痢症では,一般的な下痢原因菌の検出は極めて稀で,推奨されない(3 day rule).

抗原検査

ウイルスが原因の場合.

塗抹鏡検

寄生虫が原因の場合(赤痢アメーバ,ジアルジア,腸管スピロヘータ,糞線虫など).

遺伝子検査 Nucleic acid amplification test;NAAT

保険適応は,CDトキシンB遺伝子,結核菌,クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis;CT)
*CTでは直腸の検体は対象外

欧米ではmultiplex NAATsが使用可能で数種類もの病原体を検出可能.

大腸内視鏡

血便・慢性下痢などの有症状例,便潜血陽性者が対象.

カンピロバクター
病変部位:全大腸,回腸
内視鏡所見:多発する発赤斑,ときにびまん性炎症,回盲弁の潰瘍

サルモネラ
病変部位:全大腸(右側優位),回腸
内視鏡所見:浮腫,発赤,びまん・潰瘍,rectal sparing

EHEC
病変部位:全大腸(右側優位),回腸
内視鏡所見:高度の出血性びらん,浮腫

エルシニア
病変部位:終末回腸,回盲弁
内視鏡所見:Peyer板・孤立性リンパ小節の腫大・びらん,アフタ,回盲弁の腫大

エロモナス
病変部位:全大腸(左側優位)
内視鏡所見:浮腫,発赤,びらん・潰瘍

腸炎ビブリオ
病変部位:回腸,回盲弁
内視鏡所見:浮腫,発赤,びらん

赤痢菌
病変部位:全大腸(左側優位)
内視鏡所見:発赤,浮腫,びらん・潰瘍,偽膜

チフス菌・パラチフスA菌
病変部位:終末回腸
内視鏡所見:打ち抜き様潰瘍

腸管スピロヘータ
病変部位:全大腸
内視鏡所見:発赤,浮腫/異常所見なし

C.difficile
病変部位:直腸,S状結腸
内視鏡所見:偽膜,アフタ

結核菌
病変部位:右側結腸,回盲部,回腸
内視鏡所見:輪状・帯状潰瘍,回盲弁開大,アフタ,狭窄,炎症性ポリープ,萎縮瘢痕帯

非結核性抗酸菌
病変部位:小腸
内視鏡所見:白色絨毛

トロフェリマ・ウイッペリ
病変部位:小腸
内視鏡所見:白色絨毛(Wipple病)

梅毒トロポネーマ
病変部位:下部直腸
内視鏡所見:隆起,潰瘍

クラミジア
病変部位:直腸
内視鏡所見:多発小隆起(リンパ濾胞腫大)

サイトメガロウイルス
病変部位:小腸,大腸
内視鏡所見:打ち抜き様潰瘍,境界明瞭な潰瘍

赤痢アメーバ
病変部位:直腸,盲腸
内視鏡所見:出血・膿性粘液を伴う隆起型びらん,偽膜,アフタ

ジアルジア
病変部位:十二指腸~上部空腸
内視鏡所見:正常,皺壁不整,顆粒状粘膜,粘液付着

クリプトスポリジウム
病変部位:小腸
内視鏡所見:浮腫,発赤

日本住血吸虫
病変部位:大腸
内視鏡所見:散在性黄色斑

糞線虫
病変部位:十二指腸,小腸,大腸
内視鏡所見:正常,浮腫,発赤,びらん,顆粒状粘膜,白色小隆起

アニサキス
病変部位:小腸,大腸(ほとんどが胃)
内視鏡所見:浮腫,伸展不良,虫体

旋尾線虫typeX幼虫
病変部位:小腸
内視鏡所見:浮腫,伸展不良

医学ノート(なすび用)
スポンサーリンク
なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
勉強好きで,私用に細々とまとめています.

妻:りんご
長女:いちご
次女:れもん
三女:みかん
事務長:かえる

なすび院長をフォローする
なすびクリニックは今日も改装中!
タイトルとURLをコピーしました