周期性嘔吐症候群

医学ノート(なすび用)

intermittent attack of vomiting
周期性ACTH-ADH放出症候群
アセトン血性嘔吐症
自家中毒

発作性の強い嘔気・嘔吐が周期性に反復され,発作間欠期には完全な無症状であることを特徴とする疾患.

国際頭痛分類第3版に包含される片頭痛に関連する周期性症候群の1つでもある.

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疫学

有病率は約1~2%.

かつて,多くは小児期に発症し(中央値4~5歳),成人診療科を受診することは比較的稀であると考えられていたが,成人診療科において診断される症例も一定数存在する.
・成人発症のほうが診断までが遅い(2.5年 vs. 3~8年)

患者背景に大きな相違はないよう.

病態

嘔吐発作時に,血清ACTH・ADH値が上昇することは多数報告されているものの,その病態生理に関しては不明な点も多い.
*約3割では,ACTH・ADHは上昇しないともされる.

片頭痛との関連性はよく知られている.
・片頭痛の家族歴が多い(42%)
・片頭痛に移行しやすい(44%)

一部の周期性嘔吐症候群や片頭痛においては母系遺伝を認められ,ミトコンドリア機能不全が発症に寄与している可能性も指摘されている.

症候

嘔吐は,ピーク時には1時間に中央値で10回,最大30回とも報告され,胆汁性嘔吐(16%)や血性嘔吐(28%)がみられることもある.

発作時には,無気力(35%),顔面蒼白(45%),発熱(35%),流涎(16%),嘔気(90%),腹痛(74%),食欲不振(39%),下痢(32%),頭痛(58%),羞明(9.8%),音声恐怖症(3.2%),めまい(12%)などの症状を伴うこともある.

長期的な臨床経過としては,罹病期間の中央値は9.7年とする報告もあり,成長の経過とともに自然軽快するのが一般的.

診断

診断の決め手となる検査は存在しないため,臨床経過より疑い,器質的疾患の否定後に診断される.

診断基準(国際頭痛分類第3版)

A.強い悪心と嘔吐を示す発作が5回以上あり,BおよびCを満たす.
B.個々の患者では症状が安定化しており,予測可能な周期で繰り返す.
C.以下のすべてを満たす.
 ①悪心・嘔吐が1時間に4回以上起こる.
 ②発作は1時間~10日間続く
 ③各々の発作は1週間以上の間隔をおいて起こる.
D.発作間欠期には完全に無症状
E.その他の疾患によらない

鑑別疾患

消化器疾患,神経疾患,腎尿路疾患,内分泌疾患,先天代謝異常など

治療

嘔吐発作時

脱水状態になっていることが多く,輸液が必要になることが多い.

症状が強い場合には,オンダンセトロン,グラニセトロンなどの5-HT3受容体拮抗薬や,片頭痛の治療に準じてスマトリプタンが効果的.

予防

発作が頻回な症例や強い症状を呈する症例は,薬物による予防治療を行うのが望ましい.
*症例によって有効な薬剤は異なる.

第一選択薬は,アミトリプチリン(三環系抗うつ薬)

バルプロ酸,フェノバルビタール,トピラマートなど抗てんかん薬などの有効性も報告されている.

誘因となる因子の除外も有効.
→心理ストレス,興奮,学校行事,休日,睡眠不足,運動,感染,月経,チョコレートやチーズなどの特定の食物など

医学ノート(なすび用)
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なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
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