インスリン受容体異常症 Insulin resistance syndrome;IRS

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なすび医学ノート

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B型インスリン抵抗症

後天性の高度インスリン抵抗性を示す疾患.

疫学

1976 年にKahn らにより初めて報告され,世界で100 例以上の報告がある.

最近Takeuchi らが行った,本邦におけるインスリン抵抗症の全国調査では,30 例のB 型インスリン抵抗症が報告された.

空腹時低血糖および食後高血糖のパターンを示すことが報告されている.

空腹時低血糖を生じる機序
・抗インスリン受容体抗体は受容体刺激抗体と阻害抗体が混在するpolyclonal 抗体であり,インスリン様作用を有する受容体刺激抗体の報告もある.
・マウスにヒト血清投与を行った実験系で,健常者血清より患者血清でマウスの血糖値が有意に低下したこと,CHO-IR細胞において患者血清でインスリン様作用によるインスリン受容体のチロシンリン酸化が認められたことより,抗インスリン受容体抗体が低血糖を惹起していた可能性が確認されている.

膵腫大
・高度のインスリン抵抗性を呈するインスリン受容体ノックアウトマウスでは,膵腫大が認められるという報告がある.

治療

高血糖の是正を目的とした対症療法と,抗インスリン受容体抗体価の低下を目的とした根治療法の2 つがある.

高血糖是正

インスリンのみを使用する場合は数十~数千単位/日と大量に必要となり,インスリン単独での血糖コントロールは困難.

他の糖尿病治療薬として,ピオグリタゾンやビグアナイド,さらにはリラグルチドの使用報告例が散見されるが,その有効性は明らかではない.

抗インスリン受容体抗体価の低下

これまで副腎皮質ステロイド,シクロスポリンなどの免疫抑制薬,抗CD20 モノクローナル抗体リツキシマブ,免疫グロブリン大量静注療法,血漿交換などが試みられているが,併発する自己免疫疾患の活動性が高く,その疾患に対する治療が主になることも少なくない.

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