インスリン受容体異常症 insulin receptor abnormality

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なすび医学ノート

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インスリン受容体の記事

○インスリンがインスリン受容体に結合することがインスリン作用のメカニズムにおけるfirst step であり,その後チロシンキナーゼドメインにおける自己リン酸化を経てインスリンシグナルの下流の分子にシグナル伝達が行われる.
○インスリン受容体遺伝子の異常に伴いインスリン抵抗性をきたす複数の疾患が知られているが,受容体の機能の障害の大きさに応じてそれぞれ重症度が異なる.

■インスリン受容体遺伝子(INSR)異常
インスリン受容体異常症A型,Donohue症候群など
1)インスリン受容体発現低下によるもの
2)受容体の細胞膜輸送障害によるもの
3)インスリン結合親和性低下によるもの
4)チロシンキナーゼ活性障害によるもの
5)受容体の分解亢進によるもの

■自己抗体による受容体機能障害
インスリン受容体異常症B型

Donohue症候群

○最重症.極めて稀.
○生後2 歳未満で死亡することが多く,死因は感染症が多いとされる.
○臨床所見として,子宮内胎児発育不全・生後の成長遅延,黒色表皮腫,脂肪萎縮,筋発達の障害,小顎症・大きな耳介・鞍鼻などの特異的顔貌を示し,高度インスリン抵抗性・空腹時低血糖や糖尿病を認める.

Rabson-Mendenhall 症候群

○次いで重症度が高い.極めて稀.
○黒色表皮腫,高度インスリン抵抗性,糖尿病,歯牙・爪の形成不全,軟部組織の過形成などの所見を認める.若年のうちに糖尿病ケトアシドーシス,血管合併症で死亡することが多い.

インスリン受容体異常症A型

○典型的には,黒色表皮腫多毛を認め時折低血糖をきたすことがあり,女性では思春期の頃に希少月経,高アンドロゲン血症を呈する.
○インスリン受容体異常症A 型及び同疾患に付随する糖尿病は,30 歳台になるまで診断されずに経過することも多い.
○インスリン受容体遺伝子異常を含む重症インスリン抵抗性症候群を示唆する臨床的特徴の例として,内因性インスリン高値(空腹時インスリン値>150 pmol/L),BMI<30 kg/m2,インスリン注射の必要単位数>2-3単位/kg 体重,黒色表皮腫,希少月経,高アンドロゲン血症,脂肪組織の分布異常などの所見も示されている.

糖尿病2019;62(8):471-473

治療

○稀な疾患であり,効果的な治療に関するデータは未だに十分ではない.
○リコンビナントIGF-1 製剤は,IGF-1 受容体のみならずインスリン受容体にも作用し,血糖コントロールを改善する可能性がある.
・適切な用量調整は明確ではなく,また治療効果が報告によって一貫しないことがある.
○複数の経口血糖降下薬を組み合わせて治療を行なった例なども報告されている.

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