インスリン自己免疫症候群 inslin autoimmune syndrome;IAS

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なすび医学ノート

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インスリン注射歴がないにもかかわらず,インスリン抗体が生じ,患者血中の大量のヒトインスリンが結合・遊離することによって重症低血糖を発生させる.

原因

IASはHLA-DR4と強い相関を持つことが後に確認されている.
・IAS患者において96 %がHLA-DR4 を有する患者であり,そのうちHLA-DRB1*04:06が84%,HLA-DRB1*04:03 が10 %であった.

過去にはチアマゾール,グルタチオン,チオプロニン,カプトプリルなどのSH基を持つ薬剤によるIAS発症の報告が多かったが,近年はロキソプロフェンやアムロジピン,ブシラミンなどのSH基を含まない薬剤やα リポ酸を含有する健康食品の摂取によるIAS 発症が報告されている.

病態

薬剤誘発性のIAS については原因薬剤の開始から2~6週後と早期に発症し,原因薬剤中止後は数カ月以内に自然緩解する症例が多いと報告されている.

IASは低血糖が主な症状だが食後高血糖を呈することが報告されており,75g経口ブドウ糖負荷試験にて約50%の患者で境界型または糖尿病型を呈すると報告されている.

食後高血糖を呈する機序としては食後に分泌されたインスリンがインスリン抗体と結合することで遊離インスリンが減少し,末梢組織でのブドウ糖取り込みが減少するためと考えられている.

検査

IAS 患者における血糖変動はHbA1cよりグリコアルブミンと相関するという報告がある.

治療

原因の除去

IAS の治療については原因薬剤の中止が原則であり,80%以上が3 カ月以内に自然緩解するとされている.

分割食,αグルコシダーゼ阻害薬

分割食やα グルコシダーゼ阻害薬によって食後の急峻な血糖上昇が抑制されることによってインスリン抗体と結合するインスリンが減少するため,低血糖の発生が抑制されると推察される.

本邦では2017年から2018年に診断されたインスリン自己免疫症候群22症例のうち,半数の11 症例でα グルコシダーゼ阻害薬が使用されるなどIAS に対する加療として標準的に用いられている.

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