感染に対する生体防御機構

スポンサーリンク
なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

好中球 neutrophil

○細菌や真菌などの細胞外増殖菌に対する生体防御の中心的役割を担う.

○サイトカインの産生やneutrophil extracellular traps(NETs)の放出,アポトーシスなどを介して,種々の炎症反応の進展や終息にも深く関与している.

○好中球の細胞表面にはそれぞれを感知するToll様受容体が存在する.
→病原体関連分子パターンを検出することで,侵入する微生物を識別する.
・Toll様受容体2(TLR-2)はグラム陽性菌を認識.
・TLR-4はリポ多糖(LPS)のlipid A成分と結合することでグラム陰性菌を特定する.
→これらの受容体に結合するリガンドは,好中球のサイトカイン産生,NADPHオキシダーゼの刺激を介して活性酸素の生成および食作用を増加させる.

食細胞

○細菌感染症が起こると感染部位に最初に好中球が遊走・集積し,活発に病原菌を貪食し,活性酸素や殺菌物質を産生する.

接着能

○感染病巣などの炎症部位への好中球の動員には,まず好中球と血管内皮細胞表面のそれぞれに発現する接着分子を介した接着が必要.
・好中球の循環血液中から血管外への遊出の過程には,好中球のインテグリン(CD11b/CD18)の発現と,インテグリンを介した血管内皮細胞の接着分子(ICAM-1など)との結合が必須.

遊走能

○細菌由来のペプチド(N-Formyl-Met-Leu-Phe;FMLP)や補体成分(C5a),interleukin-8(IL-8)などの遊走因子に向かって移動する.

貪食能

○好中球やマクロファージなどの食細胞が,細菌や真菌などの異物を取り込む.
・好中球の細胞表面に存在するFc受容体(FcγR)や補体受容体(CR1,CR3)が,オプソニン因子(IgGや補体成分など)と結合した細菌を認識し,貪食反応が開始される.

殺菌能(細胞内)

1)IgGオプソニン化された菌がFcγ受容体に結合すると,Fcγ受容体のクラスタリングやチロシンのリン酸化が起こり,結合したキナーゼ類が活性化されて貪食作用が進行し,菌を内部に取り込んだ食胞(ファゴソーム)が形成される.
2)食胞内では,酸性化とNADPHオキシダーゼにより活性酸素が衛生される.
3)食胞内に放出された活性酸素は,不均化反応により過酸化水素(H2O2)となり,ミエロペルオキシダーゼ(MPO)などを含むリソソームとの融合(ファゴリソソーム形成)の結果生成される次亜塩素酸(HOCl)が菌に対して,強い殺菌作用を示す.

neutrophil extracellular traps(NETs)形成(NETosis) 細胞外殺菌

○細胞内顆粒タンパク質(顆粒球エラスターゼやMPOなど)と結合したクロマチンを含んだ糸状の物質を細胞外に放出する.
→このクロマチン網をNETsと呼ばれ,菌に対して殺菌的に作用し感染防御に関与することが明らかになっている.

○過剰なNETs形成は組織傷害を引き起こす.
・創部における創傷治癒回復を遅延させる.
・血栓症
・虚血/再灌流内皮障害など

補体の活性化

○初期の自然免疫応答のおいて不可欠

オプソニン化

○病原菌のオプソニン化を促進し,マクロファージおよび好中球による微生物の貪食作用を促進する.
・オプソニン化=微生物などの抗原に抗体や補体が結合することにより抗原が食細胞に取り込まれやすくなる現象.

溶菌やメディエーター形成

○膜侵襲複合体(C5b-C9)を形成して病原体を溶菌したり,好中球の遊走や走化性を導くメディエーター(C3a,C5a)もそのカスケード反応過程で形成される.

タイトルとURLをコピーしました