免疫チェックポイント阻害薬 immune checkpoint inhibitor;ICI

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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免疫チェックポイント分子と呼ばれる免疫抑制分子を阻害する薬剤

腫瘍が免疫から逃避する過程

腫瘍における抗原提示の減少

制御性T細胞やMDSC(myeloid-derived suppressor cells)といった免疫抑制細胞の漸増

TGF-β,IDO(indeleamine 2,3-dioxygenase),IL-10などの免疫抑制因子の遊離

CTLA-4やPD-1などの免疫チェックポイント分子による免疫抑制
→ICIの阻害ポイント

CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen 4)

制御性T細胞,活性化T細胞に発現している.

IgG1

PD-1(programmed cell death 1)

制御性T細胞,活性化T細胞,濾胞ヘルパーT細胞,B細胞,NKT細胞,骨髄系細胞にも発現している.

IgG4

免疫関連有害事象 immune-related adverse events;irAE

重篤なirAEの頻度は,ICI単剤では10~15%程度と高くないが,これまで多くの癌種で標準的に行われていた殺細胞性抗癌薬や分子標的薬による治療では,認められなかったものが多い.

特徴

1)多様性(多臓器に亘り発症し,多彩な症状を呈する)

2)独自性(自然発症の自己免疫疾患とは異なる臨床像を有する場合がある)

3)多発性(時間的・空間的に多発し得る)

4)持続性(治療効果と同様にirAEも持続する場合がある)

5)相関性(腫瘍免疫と自己免疫は共通の分子が関与しているため,治療効果とirAEの相関がみられる)

メカニズム

1)正常組織が有する共通抗原に対するT細胞の反応による.

2)炎症性サイトカインの増加による.

3)元々存在する自己反応性リンパ球の増加にする.

4)正常組織に発現するCTLA-4と抗CTLA-4抗体との結合による補体を介した炎症による

症候

皮疹,下痢,倦怠感,食欲不振など,非特異的な症状の頻度が高い.

内分泌関連irAE

糖尿病,副腎機能不全,甲状腺機能異常など

1型糖尿病

頻度こそ少ないものの,Grade 3 以上の重症例の報告が多い.
・50%がFT1DMと報告されている

発症時期は開始後1 か月以内から17 クール目と様々.

免疫チェックポイント阻害剤により活性化されたT 細胞によるβ 細胞障害に加えて,PD-L1 発現低下に伴うT 細胞の活性化の抑制不全が劇症1 型糖尿病で認められる急激な膵β 細胞の減少に寄与している
可能性が考えられている.

薬剤各論

抗PD-1抗体

ニボルマブ
ペンブロリズマブ

抗CTLA-4抗体

イピリムマブ

リンパ組織におけるT細胞の活性化,腫瘍反応性T細胞の活性化を維持する.

CTLA-4発現臓器である下垂体に作用するため,下垂体炎の発症頻度が多い.

抗PD-L1(programmed death-ligand 1)抗体

アテゾリムマブ
デュルバルマブ
アベルマブ

腫瘍反応性T細胞の活性化,疲弊T細胞の再活性化,リンパ組織でのT細胞活性化を維持する.

1型糖尿病,重症筋無力症,間質性肺炎などの発生頻度が多い.

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