低酸素性肝炎 hypoxic hepatits;HH

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なすび医学ノート

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肝臓への酸素供給低下により引き起こされ,血清トランスアミナーゼが通常の約20倍以上に急激に増加し,ウイルス性or薬物性肝炎などの肝疾患が除外された際に,臨床的に診断される疾患概念.

以前は,ショック肝,虚血性肝炎(ischemic hepatitis)で呼ばれていたが,近年の研究にてHHを呈する患者の半数は明らかな降圧イベントorショック状態がないことが知られ,低酸素性肝炎という名称が提唱されている.

疫学

発症頻度は,ICUに入室する患者の1~10%程度と考えられており,稀ではない.

原因

多因子であるとされ,右心不全などの静脈うっ滞を伴う肝臓への血流供給の減少,低酸素血症,肝細胞による酸素消費の増加が見込まれる代謝亢進状態(敗血症性ショックや重度の高体温)などが想定されている.

心不全 39~70%

うっ血性心不全においては,心拍出量の低下とそれに伴う全身の血管抵抗の代償性増加などを介して肝血流量が減少している.
→これに対応するため,アデノシンの蓄積を介した細動脈の拡張や,血液中からの酸素抽出量を90%近くまで高める代償機構を有しているが,それを上回る血流障害や低酸素血症を生じると考えられている.

静脈系のうっ滞は,最も酸素供給に乏しい肝類洞の中心静脈付近の血流障害を起こすことから,比較的容易に低酸素障害を惹起し,HHの発症に強く関与していると考えられている.

呼吸不全 15%

敗血症 15~30%

病態

肝細胞の小葉中心の壊死により,突然かつ一過性にAST・ALTが正常値の20倍以上へ上昇する.

予後

うっ血肝や低酸素血症をきたす原疾患に左右されるとされ,近年では患者の約半数が罹患1ヵ月以内に死に至り予後不良とする報告がなされている.
・HH罹患による28日後死亡率は45.0%,正常上限値の5~10倍程度であっても,死亡率は26.1%と高い.

正常上限値の5倍を超える急激なトランスアミナーゼの上昇を認める場合は積極的な原因検索を行う!

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