副甲状腺機能低下症 hypoparathyroidism

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なすび医学ノート

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 PTH分泌低下による副甲状腺機能低下症とPTH不応性による偽性副甲状腺機能低下症とに大別される.

偽性副甲状腺機能低下症 pseudohypoparathyroidism;PHP
副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)分泌は保たれているにもかかわらず,標的臓器の...

病態

 PTH分泌低下は頭部手術や頭部への放射線照射による場合と,さまざまな先天性疾患の部分症である場合や原因の特定できない特発性の場合にわけられる.

 血清Ca値は,PTH低下に伴う骨吸収の低下に加えて,1,25(OH)2D低下による腸管からのCa吸収抑制,腎臓からのCa喪失(遠位尿細管におけるPTHを介するCa再吸収ができない)により低下する.
*PTHは,遠位尿細管ではCa輸送体であるTRPV5の発現を促進させてCa再吸収を増やす.

 Mg欠乏症はPTH分泌低下と不応性の両方をもたらすため,PTH作用不全による低Ca血症となる.

症候

低Ca血症に基づくものがほとんど.

治療

 出生後のPTH作用の大半は活性型ビタミンD3で代償できるため,副甲状腺機能低下症の治療は活性型ビタミンD3の経口投与で行われている.
・Ca製剤の併用は腎結石・腎障害のリスクを増加させるので,活性型ビタミンD単独投与を原則とする.
・小児期には血清Ca値低下によるテタニー症状を来しやすいため,治療に難渋する場合が多い.

 血清Ca値の目標はある程度の過換気状態においてもテタニーなど低Ca血症による自覚症状が出現しない状態であればよく,基準値にまで上昇させる必要はない.
→血清Ca 7.8~8.5mg/dLが目標

 前頸部手術後に急激に発症する場合を除けば,本症の発症は緩除であり,急激に血清Ca値を正常化する必要はない.

 血清Ca値上昇に伴い尿中Ca排泄量も増加するため,尿路結石症を生じるリスクを抑えるためには,早朝空腹時尿Ca/クレアチニン<0.2および随時尿Ca/クレアチニン<0.3を維持するように配慮する.

 血清Caを必要な濃度まで上昇させると高Ca尿症を生じる場合には,サイアザイド系利尿薬を併用する.

ビタミンD3

 活性型ビタミンD3の標準量を投与し,週単位で経過をみつつ投与量を調整していく.

 1α水酸化ビタミンD[1α(OH)D3]は肝臓で25位の水酸化を受けて薬理活性を発揮するプロドラッグで,活性は1,25(OH)2D3の約半分である.

アルファカルシドール(アルファロール®,ワンアルファ®など)2~6μg 1日1回朝食後
・高Ca尿症が著しい時はトリクロルメチアジド(フルイトラン®)2 mg 1日1回朝食後もしくは夕食後.
・単独で難渋する場合は,経口Ca製剤(乳酸Ca2~4g 1日2~3回に分割など)を必要に応じて併用する.粉末で受け入れが悪い場合はアスパラCa錠200 2~3錠を食後に内服させる.

リコンビナントヒトPTH(1-84)製剤 rhPTH製剤

日本では治験が予定されている.

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