低カリウム腎症,低K腎症 hypokalemic nephropathy

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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長期的なカリウム欠乏によって惹起される腎障害.

 ヒトにおいて低カリウム血症が慢性的に持続した場合,近位尿細管細胞(時に遠位尿細管細胞上皮)に空胞変性を生じる.
・通常は少なくとも1カ月以上が必要
・カリウムの補充によって速やかに改善する

病態

 VEGFやインスリン様成長因子I(IGF-1),アンジオテンシンⅡ,TGF-β(tumor growth factor-β),オステオポンチン,インスリン様成長因子結合蛋白I,MCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)などの成長因子やサイトカインが病態や進行に関わっていると考えられている.
・腎内で生成されるアンジオテンシンⅡやエンドセリンⅠが関与する腎での血管収縮による髄質血流の低下や腎内局所の虚血も腎障害を助長するとされる.

 過剰な利尿薬使用や下剤の使用,原発性アルドステロン症といった遷延する低カリウム血症の場合には,間質の線維化,尿細管の萎縮,特に腎髄質に囊胞が形成されるなど,より重篤な変化を来しうる.
・不可逆な腎障害が起こるには,血清K値が3.0 mEq/L以下の状態が数カ月から数年の経過が必要であるといわれている.

 低カリウム血症を補正すると囊胞の数は減少するが,すべて改善されることはない.
→Kを補正しても腎機能は完全には回復しない.

 これらの組織変化の原因も詳細はわかっていない.
・動物実験では,低カリウム血症によって生じたアンモニア産生亢進が直接補体を活性化し,尿細管の細胞の障害を引き起こすことが観察されている.
・低カリウム血症による細胞内アシドーシスが細胞増殖の刺激となり,囊胞を形成するとも考えられている.
・成長因子やサイトカインの関与も報告されており,血管内皮由来成長因子の低下を伴った血管新生の喪失が関与しているという報告がある.
・アンギオテンシン受容体拮抗薬により低カリウム血症にともなう間質障害が改善したという報告もある.

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