高血圧症 Hypertension

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なすび医学ノート

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脳卒中(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血など),心臓病(冠動脈疾患・心肥大・心不全など),腎臓病(腎硬化症など)および大血管疾患の重大な原因疾患.

高血圧治療ガイドライン2019より正常血圧の定義が,120/80mmHg未満に変更となった.

高血圧症 診断
診察室での収縮期血圧 140mmHg以上 and/or 拡張期血圧 90mmHg以上家庭血圧では収縮期...
高血圧症 治療
治療の目的1)高血圧の持続によってもたらされる脳心血管病(特に脳卒中)の発症・進展・再発の抑制とともに...

疫学

本邦では,高血圧は約4,300万人といわれる.
・2016年の国民健康・栄養調査によると,40~74歳の有病率は,男性60.0%,女性40.6%.75歳以上では男性74%,女性77%.
・1980~2016年までの36年間の解析では,性・年齢階級別の高血圧有病率の推移をみると,年齢とともに高くなり,50歳以上の男性と60歳以上の男性で50%を超える.

高血圧の治療率は,20歳以上の男性で59.1%,女性で62.9%.
・半分は未治療.
・高血圧管理率は,男性約40%,女性約45%と十分な治療ができていないことが多い.

国民全体の血圧平均値は低下している.
・健診などによる高血圧スクリーニングの普及,降圧薬による高血圧治療の進歩と普及,食塩摂取量低下など国民の生活習慣・生活環境の変化などによる.

Hypertention Paradox

高血圧治療は発展したが,いまだ多くの患者で血圧コントロールがされていない矛盾.

脳卒中,心疾患リスク上昇

1)脳卒中死亡率・罹患率は,急性心筋梗塞の死亡率・罹患率より高い.
2)血圧レベルと脳心血管病リスクの間には,段階的・連続的な正の関連がある.
(EPOCH-JAPAN,NIPPON DATA80)
・120/80mmHg未満の群が,脳心血管病死亡リスクが最も低い.
・なかでも脳出血死亡で強い傾向がみられる.
・全脳心血管病死亡の50%,脳卒中死亡の52%,冠動脈疾患死亡の59%が,120/80mmHgを超える血圧高値に起因する死亡と評価される.

病態

食塩感受性高血圧 salt-sensitive hypertension

○食塩の過剰摂取が血圧上昇と関連することは,INTERSALTなどの観察研究で報告されている.

○ヤマノミ・インディアンはもっとも低血圧な民族(最高血圧 100mmHg前後,最低血圧 60mmHg)であり,加齢に伴う血圧上昇はない.
→「塩の文化」がない.平均Na排泄量は0.9mmoL/日.

機序

■Rac1-MR系
・食塩負荷により血漿アルドステロン濃度が低下しているにもかかわらず,尿細管(接合尿細管・集合管)のRac1を介してミネラルコルチコイド受容体(MR)が活性化され,Na再吸収が亢進し,高血圧が惹起されるという機序.

■WNK4-NCC系
・食塩負荷による腎交感神経活性亢進が,WNK4(塩分排泄遺伝子)の発現を抑制し,遠位尿細管起始部にあるNa+/Cl-共輸送体(NCC)の活性化を経て,Na再吸収が亢進し高血圧が起こるという機序.

Non-dipper型血圧日内リズム

○生理的な血圧日内リズムでは,入眠後の血圧は日中平均値よりも10~20%低下し,dipper型血圧リズムと定義される.生理的な夜間降圧が阻害される現象は,non-dipper型血圧リズムと定義され,CKD をはじめとする様々な病態において生じ得る.

○腎におけるNa排泄能低下が食塩感受性亢進の本態であり,①糸球体限外濾過係数の低下,あるいは②尿細管 Na 再吸収の亢進に起因し,食塩感受性高血圧において日中に十分に Naを排泄できない代償に発揮される圧-利尿の表現型こそが「夜間降圧の阻害=nondipper型血圧日内リズム」であると考えられている.

○実際,血圧が食塩非感受性の病態ではdipper型,感受性の病態ではnon-dipper型の血圧日内リズムを伴うことが多い.

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