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女性の死因では脳心血管病が癌よりも多い.
1)更年期には,中心性肥満,総コレステロール値上昇,HDLコレステロール値低下などの動脈硬化危険因子が集簇し,血圧管理不十分と相まって,高齢期女性での脳心血管病発症をきたいしている可能性がある.
2)近年の女性における高血圧罹患者の増加は,男性に比べて急峻であり,高齢女性において顕著である.
病態
閉経後のエストロゲンやプロゲステロンの作用変化による可能性があげられている.
エストロゲン
血管拡張,血管リモデリング抑制,血管障害への反応性低下,腎保護,交感神経活動の低下などの作用が報告されている.
・細胞内Ca濃度上昇を介して,内皮のNO合成酵素を活性化してNO産生を促進する.
・抗酸化作用
・AT1受容体やアンジオテンシン変換酵素を減少させる作用も報告されている.
プロゲステロン
内皮依存性血管拡張作用が報告されている.
肥満
閉経後に肥満になることが多い.
交感神経の活性化
1)体重増加,高レプチン血症,高齢化は,交感神経活動性を高める.
2)神経症やうつ傾向になることでも,交感神経は亢進する.
治療
治療抵抗性高血圧が多い.
1)食塩感受性亢進と交感神経活動性の亢進,閉経による性ホルモンの変化が原因として考えられている.
2)ピルなど,女性のみが服用する薬剤によって血圧が上昇する場合がある.
3)降圧薬の副作用(ACE阻害薬の空咳,Ca拮抗薬での末梢性浮腫,利尿薬による電解質異常など)が,男性の2倍多いという報告もある.