高マグネシウム血症 hypermagnesemia

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なすび医学ノート

高Mg血症

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

2.4mg/dL=2mEq/L=1mmol/L

原因

Mg負荷してもすぐに腎臓からの排泄を受けるため,多くの場合は腎機能低下が基礎にある.

腎機能の低下に応じてMg排泄分画が増加するため,軽度から中等度の腎機能障害では,血清Mg濃度は通常正常である.
腎機能障害がさらに進行して,GFR≦30 mL/min/1.73m2になると高Mg血症がみられるようになり,透析患者では,高Mg血症は高頻度にみられる.
・通常量のMg含有制酸剤,下剤によってもMg濃度上昇がある.

CKD患者では,血清の総Mg濃度は上昇傾向であっても,イオン化Mg分画は低下しているとされている.
・リン酸や他の陰イオンが増加していることが関与していると考えられている.

CKD 患者における血清Mg濃度の主な決定因子は,食事によるMg摂取量.
透析患者においては,Mgの経口摂取量に加えて,透析液Mg濃度の影響を強く受ける.
→Mgを含有した制酸薬や下剤を服用した場合,高Mg血症は高度となることがあるため,注意が必要.

経口リン吸着薬であるセベラマーは,血清Mg 濃度を上昇させることが報告されている.
・セベラマーが胆汁酸塩に結合することによって,吸収可能な遊離のMg を増加させることによると考えられている.

その他は,家族性低Ca尿性高Ca血症(Ca sensing receptorの異常),糖尿病性ケトアシドーシス,tumor lysis syndrome,テオフィリン中毒,リチウム摂取,副腎不全,ミルクアルカリ症候群など

症候

軽度の場合はほとんど無症状.
4mEq/L(4.8mg/dL)を超えると症状が出る

4.8<Mg(mg/dL)<7.2:傾眠傾向,意識混濁,深部腱反射消失,心電図変化(PR延長,QRS幅増大,T波増高)
7.2<Mg(mg/dL)<12.0:意識障害,低血圧,徐脈,低Ca血症
12.0<Mg(mg/dL):四肢麻痺,完全房室ブロック,心停止

神経筋症状

神経興奮伝搬の抑制によって起こり,初めはアキレス腱反射の低下から出現し,高度になると麻痺がでる.

心血管症状

Mgが生体のCa拮抗薬として作用する.
→徐脈や低血圧,高度では房室ブロックや心停止に至る.

心電図変化
PR延長,QRS幅増大,QT延長,T波増高

低Ca血症

MgがCa sensing receptorのアゴニストとして作用し,PTHを低下させるため.

治療

腎機能正常例では特に治療の必要なく,高Mg血症は自然に軽快することがほとんど.

腎機能低下例では高度の高Mg血症で,特に症候性のものについては血液透析の施行を考慮する.

心伝導系への影響を認められる場合はMg拮抗作用を期待して,100mg~200mgのCaを5~10分で静注する(ジギタリス服用中の場合は時間をかける).

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